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なつ てすりのうえのねこ 夏:手摺りの上の猫
スタンランの猫好きは有名で、彼の住んでいたコーランクール街58番地は「猫屋敷」とあだ名されたほどだった。彼が深く関わっていたキャバレー「シャ・ノワール(黒猫)」関連のポスターや冊子に猫を多く描いただけではなく、主題として関連のない作品にも猫を多く登場させている。この縞柄の猫は特に頻繁に描かれており、他に飼われていた黒猫と三毛猫に比べても、スタンランがとりわけ強い愛情を示していたことがわかる。1909年にこの猫は夏と冬の2つの季節を表す石版画作品に登場しているが、それは日本の四季絵にも見られるように、身近な日常生活の中で四季の移り変わりをさりげなく表現したものである。手摺りと背景の木の葉で画面の奥行きを狭め、全体的に平面的な効果を出している点にも、日本美術への関心が窺える。(「世紀末から 西洋の中の日本「ジャポニスム展」図録)
カテゴリー:作品
マイヨールとは?【 作家名 】 1861年フランスに生まれる。1944年没する。画家を志望して1885年パリのエコール・デ・ボザールに入学するが授業に失望して退学。ゴーギャンの芸術から影響を受け、ナビ派のグループと交わるとともにタピストリーに興味を持つが視力の減退から彫刻に専念。1902年ヴォラールの店で最初の個展を開き、黒人彫刻に霊感を受けた出品作品がロダンに賞賛された後、1905年のサロンに出品した〈地中海〉で評価を一般的なものとした。以降活発な制作活動を続け、1937年のパリ万国博覧会の会期中、プティ・パレの展覧会で3室の特別室が設けられた。晩年には絵画の制作にも力を入れるが、1944年自動車事故で死亡。死後ルーヴル宮の庭園に18点の彫像が設置され、1985年にはパリにマイヨール美術館が開設されている。明快単純な構成と平滑な肉付けによって表現された人物像は、ギリシア・アルカイック期の生命感とフランス近代の感性を統合したものと言われている。 |
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