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なみ えすたんぷおりじなるし だい6ごうより 波−『エスタンプ・オリジナル』誌第6号より
西洋中世の木版画等から学び、抽象化された様式で諷刺絵などを寄稿していたジョソは、同時代の多くの版画作家同様、日本の木版画にも影響を受けていた。この作品は明らかに北斎の『富嶽三十六景』の中の《神奈川沖裏》から波の形や波に呑まれる舟などを借用している。だが、その舟から投げ出されるのは漁師ではなく、左端のイーゼルとカンヴァスからもわかるように、西洋画家である。さらに解釈すれば、ジョソは戸外に出て直接自然を描こうとした印象派の画家たちと、彼らへの日本美術の影響を揶揄していると思われる。ジョソ自身は日本美術よりも中世美術に負うところが大きかったので、そのような客観的な諷刺もできたのであろう。そのことはこの作品が、リヴィエール等多くの日本美術に影響を受けた作家たちの寄稿した『エスタンプ・オリジナル』誌に含まれたものであるということを考えれば、不思議ではない。(「世紀末から 西洋の中の日本「ジャポニスム展」図録)
カテゴリー:作品
ジャスパー・ジョーンズとは?【 作家名 】 1930年アメリカに生まれる。サウスカロライナ州立大学で学んだ後、1949年には兵役で仙台に半年いたこともある。1952年にニューヨークに出た後、54年にラウシェンバーグと出会う。同年、星条旗を描き始め、翌年には標的の、そして数字の作品も描き始める。1958年にレオ・キャステリ画廊で初個展を開き、59年にはデュシャンと出会う。1960年代には缶やほうきなどを画面にはりつけた作品を制作。1970年代には、敷石のイメージや網目模様の作品も描くようになる。1964年にはロンドンのホワイトチャペル画廊で、77年にはホイットニー美術館で回顧展。1986年にはニューヨーク近代美術館で版画の回顧展が行われた。彼の描く星条旗は、旗の絵ではなく旗そのものではないだろうか、という問いは、芸術作品の意味作用そのものに対する問いでもある。抽象表現主義とポップ・アートをつなぐネオ・ダダの重要な1人として、その評価は高い。 |
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