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なみ えすたんぷおりじなるし だい6ごうより 波−『エスタンプ・オリジナル』誌第6号より
西洋中世の木版画等から学び、抽象化された様式で諷刺絵などを寄稿していたジョソは、同時代の多くの版画作家同様、日本の木版画にも影響を受けていた。この作品は明らかに北斎の『富嶽三十六景』の中の《神奈川沖裏》から波の形や波に呑まれる舟などを借用している。だが、その舟から投げ出されるのは漁師ではなく、左端のイーゼルとカンヴァスからもわかるように、西洋画家である。さらに解釈すれば、ジョソは戸外に出て直接自然を描こうとした印象派の画家たちと、彼らへの日本美術の影響を揶揄していると思われる。ジョソ自身は日本美術よりも中世美術に負うところが大きかったので、そのような客観的な諷刺もできたのであろう。そのことはこの作品が、リヴィエール等多くの日本美術に影響を受けた作家たちの寄稿した『エスタンプ・オリジナル』誌に含まれたものであるということを考えれば、不思議ではない。(「世紀末から 西洋の中の日本「ジャポニスム展」図録)
カテゴリー:作品
ビエンナーレとは?【 美術用語 】 2年ごとに開かれる展覧会のことをいう。「2年ごと」という意味のイタリア語、ビエンナーレ(BIENNALE)が転じて、展覧会自体のことを指すようになった。最も古くからあるものとしては、1895年創設のベネチア・ビエンナーレがある。戦後になって1951年のサンパウロ・ビエンナーレをはじめ、東京、パリ青年、リュブリアナ等多くの国際的ビエンナーレが創設されたが、いずれもベネチアをモデルとしているといえよう。コミッショナーによる推薦制をとるところが多く、また、国際的規模で開催されるものが有名であるが、日本においてこの用語は、推薦制であれ公募制であれ、また国際的であれ国内に限られるものであれ、2年ごとに行なわれるコンクール形式の展覧会を広く指し示すものとして使われている。対象は、美術一般とされる場合もあれば、版画やデザインなど特定のジャンルに限られる場合もある。ちなみに、一年ごとのものはアニュアル、3年ごとのものはトリエンナーレと呼ばれている。 |
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