自らの
木版画をウッド・ペインティングと呼んだ
ダウは、
木版画を色彩による画面構成を学ぶ格好の手段と見なしていた。一つのデザインの版木を一式作れば、その後は自由自在に色彩やその濃淡の組み合わせを実験することができたからだ。決まった色の組み合わせで何千と摺る日本の浮世絵と比べて、
ダウの
木版画は同じ色彩の同じ版が一つとないほど、実験精神に富み、表現力も溢れていた。彼の創作版画にかけた熱意は、若手の作家を魅了し、その後のアメリカの
モダニズムを支える重要な力となった。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)