この5刷りの
石版画はクローディウス・ブランとレオポルド・ドーフィンによる『スコットランドとイギリスの歌』という歌集の内容から想像して制作されたが、歌集の表紙は1898年に別にデザインされている。オリオールは
グラッセと同じく、80年代半ばに
アール・ヌーヴォーが運動として台頭してくるよりもかなり前から、西洋の中世美術や日本美術から装飾的要素を学んで、独自の様式を築いていたため、
アール・ヌーヴォーと関連づけられることを拒んだ。本の表紙や装幀のデザイン、またモノグ
ラムや文字のデザインを得意とし、200点以上の楽譜の表紙を手がけた。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)