サーカスは19世紀末特に人気が高まり、
後期印象派以降の画家の格好の主題となった。馬に乗った女性の曲芸師は特によく描かれ、
ロートレックとスーラーのほぼ同時期の作品に登場しているが、サーカスの臨場感を出すために対象に近接した結果、画面の大部分をステージが覆っている。無論、サーカスの客観席は後ろに行くに従って徐々に高くなっていくので、そこからステージをみた場合は鳥瞰図的視点になるが、二人の作品では、それがさらに強調されている。そのような特殊な視点と構図は二人の作家がそれぞれ日本美術などからヒントを得て獲得したものだが、彼らの作品を
ランフトは手本としたと思われる。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)