1859年に西洋人として始めて『北斎漫画』を発見したと言われる版画家
ブラックモンは、
ジャポニスムの先駆者で、1866年にはウジェーヌ・ルソーの注文で、日本美術から鳥や花の
モティーフを借用した食器セットのデザインを手がけている。ルソー食器セットはヨーロッパ中の陶器メーカーにインスピレーションを与え、
ロココや
新古典主義のデザインで行き詰まっていた西洋陶器に新風を吹き込んだ。パリジェン食器セットは、1872年に
ブラックモンがアート・ディレクターとなった、シャルル・ハヴィランド工房のために制作された。セットの全体が日本の花鳥画に影響を受けたデザインとなっており、葦に留まる小鳥、小さな滝や飛ぶ鳥の群れ等が、空間的関係を無視して、丸皿に収まるように描かれている。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)