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ぶとうかいからかえって じゃんふらんそわどとろわのげんがによる 舞踏会から帰って[ジャン=フランソワ・ド・トロワの原画による]
下絵にもとづきジャン・フランソワ・ド・トロワによって銅版に彫刻された作品のような、対になった構成は、オランダやフランドル地方の絵画の影響を受け、18世紀初頭、フランスから広まった独特の様式である。優雅でモダンな社交界の場面は、人々が好んで話題にした。当時、装飾の趣向は、室内に、絵画を左右対称に掛けることを容易にするよう工夫され、そのため絵を飾るのに部屋の壁にはわずかしか空間がなかった。《舞踏会の準備》は、若い女性や、その髪を結い終わった侍女、ドミノ仮面を持つ人、またフードつきの舞踏会用のマントを着、マスクで顔の一部を隠している人々が描かれている。さらに壁や家具や小物の装飾は細密に表現されている。左手には中国あるいは日本のものと思われる漆塗りの小箱が描かれている。《舞踏会から帰って》からは、これらの人物がこの宴で見い出したあらゆる楽しみを想像することができる。ボーヴァルレは、人工の照明(ロウソクと暖炉の火)を用いて、これらの二つの場面の雰囲気を出すことに専念した。白と黒という色の制約にもかかわらず、《舞踏会の準備》《舞踏会から帰って》は、エッチングの作品の中で最も優れたものである。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)
カテゴリー:作品
抽象とは?【 美術用語 】 語源はラテン語のアブストラヘレ。対象の構成要素のうち、或るものを他から切り離して、ひき出すこと。絵画や彫刻においても、対象の本質的要素を選び出して描写する点において、多かれ少なかれ抽象の作用が含まれるが、美術上この概念が特別な意義を持つようになったのは、1908年にヴォーリンガーが「抽象と感情移入」において、芸術の根本衝動のひとつとして抽象衝動をあげ、これによって原始民族や東方の諸民族の非抽写的な美術を正当に評価しようとしたことと、1910年にカンディンスキーが、初めて対象的事物を描かない絵画を発表し、1912年には「芸術における精神的なもの」において絵画への道のひとつの極として純粋抽象を論じたことに始まる。これ以降、外的対象的世界を描写しない作品が次々と現われ、非具象(ノン・フィギュラティフ)、絶対、非対象、非再現などと呼ばれたが、最も一般的な呼称として抽象が普及した。また、抽象の出現により、それに対抗して再現的な表現を総括するために具象の概念が使われるようになった。 |
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