これはヴェルサイユ宮殿の中にある礼拝堂の内部である。1745年2月23日、フランス王太子ルイ(ドーファン殿下)の最初の結婚式が行われた。そこでフランスの王位継承者としての伝統的な称号が与えられた。ルイ15世と王妃マリー・レグザンスカの子であるフランス王太子ルイは、スペイン王女マリー・テレーズとスペイン王フィリップ5世の王女と結ばれた。この若い花嫁、花婿は一時的に席を離れて祈祷台に向かった。そしてそこでミサに出席し、婚姻の祝福を前方祭壇の中央に立っている大司教から与えられた。フランス王太子ルイは、その時16歳であった。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)