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ははおやのしっせき えてぃえんぬおぶりーのげんがによる 母親の叱責[エティエンヌ・オブリーの原画による]
本作は、グルーズやレピシエと同時代に活躍したエティエンヌ・オブリーが描き、1775年のサロンに出品された油彩画をもとにした版画。当時の目録には「子供が母親に許しを求めている。楕円形の小さな絵画。ド・ブルトゥイユ氏所有」とある。細かな筆致で部屋の無造作な小道具にいたるまで丹念に描き出した画面の前景床面に、必死に許しを請う子供が壊したものと思われる割れた瓶・器が散らばっている。母親は小枝をたばねた鞭を差し出して、我が子の尻におしおきをしようとしている。主題となっている母子の姿以外に、紡ぎ車を回しながら糸を紡ぐ老婆や桶や箒など部屋の情景を構成する脇役にも画家の技量は発揮されており、大変説得力のある生活風景が描き出されている。ここにおいて、この母親が息子におしおきをするのかどうかという道徳問題を含んだ絵の主題が、リアルな現実感をもって私たちの前に提示される。この時代に流行した感傷性・道徳的雰囲気を持つ佳品である。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)
カテゴリー:作品
象徴主義とは?【 美術用語 】 サンボリスム。1880年代の後半にフランスでおこった反写実主義的な運動。はじめは、詩人モレアスの「象徴主義宣言」によって明確にされているが、マラルメ、ランボー、ヴェルレーヌらを中心とした、詩語の音楽性を重視し、語音の響きによって内的生命や特別の観念を象徴させようとする文芸上の運動から始った。美術上の象徴主義は、これらの詩人たちの影影のもとに遅れて現われた、反写実主義的な傾向を指すが、文芸の場合ほど明確な主張や運動ではなかった。直接的には、批評家オーリエの論評「絵画における象徴主義」(1891)で「芸術作品の必須条件は、1理念的であること、2象徴的であること。3総合的であること。4主観的であること。5(以上の帰結として)装飾的であること。」と宣言されており、ゴーガンを中心としたポン=タヴァン派や、ドニを理論家としたナビ派を指す。後に象徴主義に対する見解は広まり、神秘的な主題を扱い、宗教的・詩的な観念の表現を試みた世紀末の作品も含まれ、ルドン、モロー、クリムトらが代表的作家とされる。 |
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