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ぐるぐるもくじ


『革命に奉仕するシュルレアリスム』誌 第5号



革命のためのシュルレアリスム 1-6号(2号欠)



家具つきホテル



家具デザインスケッチ 7点



かぐやひめ



掛井五郎



夏景山水図



影シリーズ 石と影



影シリーズ 右近の葉と影



影シリーズ 海辺の黄色の花と影



影シリーズ 海辺の葉と影



影シリーズ ススキと影



影シリーズ 砂と影



影シリーズ 菜の花と影I



影シリーズ 都わすれと影



影シリーズ れんげと影



影シリーズ れんげと影



影シリーズ 石と影



影シリーズ 右近の葉と影



影シリーズ 海辺の黄色の花と影


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 作家(1701)

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めでゅーずごうのいかだ ておどーるじぇりこーのげんがによる

メデューズ号の筏[テオドール・ジェリコーの原画による]


作家名:アルフォンス・ルロワ
制作年:1883年彫版
技 法:ビュラン、点刻
1816年7月、メデューズ号は、セネガルをとり返すために送られたフランスの小型船団のフリゲート鑑である。メデューズ号は砂洲の上で座礁した。そこはアフリカ西海岸の沖で、ブラン岬の少し南方のところであった。400人が船べりにいた。船は海上の波間に戻る事ができず、船の材料を利用して一つの筏が組まれた。昔のフランスの領土を奪取するためにセネガルのサン=ルイ島に送られた乗組員の大部分の149人が、この一つの筏に重なり合った。筏はメデューズ号が所有している救助ボートによって曳航されるはずであったが、係留用ロープが切れ、筏は見捨てられた状態でとり残されてしまった。その時、飢え、渇き、失望がこれらの人々をお互いに武装させた。12日後に筏は発見されたが、そこには15人しか乗っておらず、しかも生存者は既に6人であった。ジェリコーは、筏に乗った人々が、水平線上に彼らを救助に向かった船を発見した瞬間を描き出している。前面の多くの屍の中には、打ちひしがれた父親を支えている息子の死骸も見える。これらは全体の構成から基底部分の線としての役割を果たしている。その線が対角線となって上に昇ってゆくところを生存者が形作っている、エンジニアのユレアルや外科医のサビニー、このエピソードの悲劇的物語の作家(彼らは、殺戮、自殺、酩酊、共食にまで至る狂気の恐ろしい光景をもたらしているが、この人たちはマストのそばに立っている。)などである。そしてアフリカ人が前方に立って、水平線に現れた帆船に合図しようと試みている。真実に対する不安にかられたジェリコーは、筏の模型を難破船の生存者である一大工につくらせた。彼は病院に行って、瀕死の者や死骸について研究した。さらに嵐の海を見るために、英仏海峡(ラ・マンシュ)の海岸にも出かけていった。「メデューズ号の筏」はその創造性から見ても純粋なロマン主義の作品である。現代史の中の出来事から得た激しい恐怖の主題である。作品を活気づけるダイナミズムと彼の解釈の仕方の新鮮さによって、目覚めさせようとする感覚においても、まさにロマン主義の代表作といえる。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年/一部割愛)


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徳島県立近代美術館2006