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めでゅーずごうのいかだ ておどーるじぇりこーのげんがによる

メデューズ号の筏[テオドール・ジェリコーの原画による]

作家名:アルフォンス・ルロワ
制作年:1883年彫版
技 法:ビュラン、点刻
1816年7月、メデューズ号は、セネガルをとり返すために送られたフランスの小型船団のフリゲート鑑である。メデューズ号は砂洲の上で座礁した。そこはアフリカ西海岸の沖で、ブラン岬の少し南方のところであった。400人が船べりにいた。船は海上の波間に戻る事ができず、船の材料を利用して一つの筏が組まれた。昔のフランスの領土を奪取するためにセネガルのサン=ルイ島に送られた乗組員の大部分の149人が、この一つの筏に重なり合った。筏はメデューズ号が所有している救助ボートによって曳航されるはずであったが、係留用ロープが切れ、筏は見捨てられた状態でとり残されてしまった。その時、飢え、渇き、失望がこれらの人々をお互いに武装させた。12日後に筏は発見されたが、そこには15人しか乗っておらず、しかも生存者は既に6人であった。ジェリコーは、筏に乗った人々が、水平線上に彼らを救助に向かった船を発見した瞬間を描き出している。前面の多くの屍の中には、打ちひしがれた父親を支えている息子の死骸も見える。これらは全体の構成から基底部分の線としての役割を果たしている。その線が対角線となって上に昇ってゆくところを生存者が形作っている、エンジニアのユレアルや外科医のサビニー、このエピソードの悲劇的物語の作家(彼らは、殺戮、自殺、酩酊、共食にまで至る狂気の恐ろしい光景をもたらしているが、この人たちはマストのそばに立っている。)などである。そしてアフリカ人が前方に立って、水平線に現れた帆船に合図しようと試みている。真実に対する不安にかられたジェリコーは、筏の模型を難破船の生存者である一大工につくらせた。彼は病院に行って、瀕死の者や死骸について研究した。さらに嵐の海を見るために、英仏海峡(ラ・マンシュ)の海岸にも出かけていった。「メデューズ号の筏」はその創造性から見ても純粋なロマン主義の作品である。現代史の中の出来事から得た激しい恐怖の主題である。作品を活気づけるダイナミズムと彼の解釈の仕方の新鮮さによって、目覚めさせようとする感覚においても、まさにロマン主義の代表作といえる。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年/一部割愛)


カテゴリー:作品
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古典主義とは?【 美術用語 】

語源は、古代ローマ市民の最高階級を意味するクラッシクス(classicus)。美術、文学、音楽、建築など広い分野にわたって使われ、明晰な秩序に基づく完成された表現を目指す様式傾向や芸術理念を意味する。17世紀フランスで芸術理論として高められ、現在では一般的な様式概念としても、歴史上のある特定の時期を示す概念としても用いられる。様式概念としての考え方としては、バロックに対立する表現様式として見る立場と、アルカイスム−古典主義バロックと展開する様式発展の一つと考える立場があるが、いづれもアルカイスムの素朴で生硬な表現やバロックの激しくダイナミックな表現に対して、合理的秩序に基づく統一性、安定した構築性、調和のとれた静かな表現等を古典主義の特質として挙げている。代表的な時代としては、紀元前5世紀のギリシア、ルネサンス、17世紀、18世紀末から19世紀初頭にかけてのフランスがある。様式概念として広く捉えた時、日本美術などの西欧美術以外の芸術に古典主義の時代を見い出したり、ピカソの「古典主義時代」など個人の様式に適用することがある。

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