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アッベマ



吾妻兼治郎



アデイェミ



アデイェミ



アトランタ1945+50



アトランタ1945+50



アトリエ前の庭



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アナツイ



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こりーぬ ふらんそわじぇらーるのげんがによる

コリーヌ[フランソワ・ジェラールの原画による]

作家名:アレクシス=フランソワ・ジラール
制作年:19世紀彫版
技 法:ビュラン
コリーヌというのはジェルメーヌ・ド・スタール(1776−1817年)の小説の中の女主人公である。スタール夫人はフランスの作家であり、ルイ16世時代の大臣ネッケルの娘で、スウェーデン人のスタール男爵と結婚した。スイスに亡命し、ナポレオンからコッペの城に逃れた。彼女は文学に打ち込み、その作品はロマン主義の誕生に大きな影響を与えた。1807年に出版された小説『コリーヌあるいはイタリア』の中で、スタール夫人はイタリアの女流詩人の生活を語っていた。作中のこのイタリア女流詩人に、スタール夫人は古代ギリシアの最も有名な女流詩人の名前をつけた。ピンダールのライバルであるコリーヌは、イタリアの美しさと不要な愛とを歌っていた。アレクシス=フランソワ・ジラールは1822年のサロンに発表されたこの版画から、男爵ジェラールがプロシアのオーギュスト皇子から依頼された絵と同じように、コリーヌの姿を再生した。オーギュスト皇子は当時、ナポレオンの軍隊から逃れるためにコッペのスタール夫人の所に亡命していたのであった。女友達スタール夫人の死後、プロシアのフレデリックはジェラールに一種の寓意的肖像画を注文した。それはコリーヌの絵姿の中に、スタール夫人の面影をみとめるものであった。絵の中のコリーヌは、ミゼーヌ山の頂上に座っており、まわりは、ナポリ湾に臨んで、背後には、ベスビオス火山が独特なかたちであたりを圧している光景が描かれている。版画家ジラールは、1822年のサロンで展示されたこの原版の中から、女主人公だけしかとり出さなかったが、絵の中の彼女の残念そうな顔に注目して、コリーヌの苦悩と、彼女の愛の心を表現する詩句を愛する男性イギリス貴族のオズワルド・ネビユやそのほか幾人かの友人の前で歌うことをやめた時を表していた。実際には、版画家はここでは、その男たちの姿を描かなかった。プロシアのフレデリック卿は、1819年のサロンに展示されていたこの絵《ミゼーヌ山頂のコリーヌ》をレカミエ夫人に贈った。1805年にジェラールは、このレカミエ夫人の肖像画も描いている。レカミエ夫人はこのコリーヌの絵を、故郷のリヨン市に贈った。現在はリヨンの美術館に保存されている。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


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オフセットとは?【 美術用語 】

平版印刷の一種。版胴、ゴム・ブランケット、圧胴の3つの円筒が接触しながら回転する三胴仕立の構造で印刷する。3つのローラーによって、インキが移動し、原版の形象が間接的に紙に転写される。版胴には金属平版の版が巻いて取り付けられ、圧胴で用紙を巻き込み、中間にあるゴム・ブランケットによって、版胴の画線部についたインキを仲介して用紙にうつしとる。製版技法の面から言うと、リトグラフ石版画)と同じ平版である。そのことから、アメリカでは、オフセットリトグラフと呼ぶこともある。オフセット印刷は、原画を写真撮影し焼き付け製版する電気的化学的処理の過程で網点ができる。この点が、リトグラフと簡単に区別することができる特徴である。オフセットは、主として写真などの複製を工業的に大量高速印刷する場合に用いられている。しかし、作家がオフセットの効果を制作意図に必要なものと認め、作家自身又は作家の監督のもとに制作することで、ひとつの版画技法として生かされている。

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