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きいろのうわぎをきて 黄色の上着を着て
「ブリュッケ」と並んでドイツ表現主義を担った重要なグループが、「デア・ブラウエ・ライター(青騎手)」である。このグループは、カンディンスキーとフランツ・マルクを中心として、1911年に発足した。マッケもその主要メンバーの一人である。 このグループは、内面の表出という方向性を持つ表現主義の主流に位置し、特に、リーダー的存在のカンディンスキーの影響で、精神性と肉的な必然性に応じて絵画は生まれるという理念が基調を成していた。しかし、ブリュッケのメンバーが、おおむね力強さや素朴さなどの共通点を持っていたのに対して、デア・ブラウエ・ライターにおいては、作風上の共通点はあまり見られず、むしろ各人の個性的な表現が際立っていた。 この作品では、さまざまな色面が特には重なり合いながら、散歩する人々の群像を構成している。一つのひとつの色面は、形態を意味するというよりは、むしろ色面そのものであり、それら色面の構成が総じて、事物の形態を生み出している。そして、平面的でありながら、色面の大小や重なりによって立体感さえも漂わせている。 この作品でとりわけ注目するべき点はその色彩である。赤、黄、青という三原色が基本となって、それらを緑がつなぎ、軽やかなリズム感を感じさせる。そして、水彩絵の具特有の透明感が、画面に控えめながらも確固とした輝きをもたらしている。また、全体が、たとえばブリュッケの人々の作品のような荒々しさよりも、洗練されたさわやかさを感じさせる点に、フランス流のキュビスムの影響を見ることができるだろう。 1914年、マッケはクレーとともに北アフリカのチュニジアを旅行する。クレーがここで色彩に開眼したのと同様、マッケもその明るい日差しのの下で光輝く色彩に魅せられた。しかし、その経験を生かすことなく、同年、第一次世界大戦に従軍し戦死したのである。
カテゴリー:作品
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未来派とは?【 美術用語 】 20世紀初頭、イタリアを中心に興った芸術運動。1909年2月20日、詩人マリネッティがパリの日刊紙『フィガロ』紙上に最初の「未来派宣言」を発表し、10年3月8日ボッチョーニ、カルラ、ルッソロ、バルラ、セヴェリーニがトリノの劇場で観衆を前にイタリアで最初の未来派運動宣言を行なった。新時代はそれにふさわしい生活様式と表現を必要とするとし、いっさいの過去を精算して速度とダイナミックな力の渦巻く機械文明の感覚を力強く表現することを主張した。造型の観点からは、対象の物質性を破壊してキュビズムから得た同時代性の思想を画面に定着し、運動の表現に新たな道を開いた点が注目される。運動としては1915年頃までで終ったが、ダダをはじめ20世紀芸術の諸運動に与えた影響は少なくない。印刷物を通じた幅広い広報活動をおこない、大正10年代の日本の美術・文学にも多くの影響を与えた。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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