この作品は、1900年のパリの万国博覧会の際に
オラーツィが舞踏をテーマにデザインした数点のポスターの中の1点である。ロイ・フラーは世紀末のパリのキャバレー・シーンで最も活躍したダンサーで、彼女のダイナミックな動きは、
ロートレック等、多くの画家にインスピレーションを与え、作品の主題となった。
オラーツィは装飾的デザインに長けていたので、
ロートレックと違い、フラーの動きそのものを描くのでなく、波のような線とその上に浮遊する装飾
モティーフによって、フラーのダンスを表現した。葵の紋や他の植物から抽出された
モティーフは、日本の着物などから直接引用された可能性が強い。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)