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おくそこのあお 奥底の青
ジョイス・マンソール著。ルシャやロート、あるいはソル・ルウィットらが時代を切り拓くアーティスツ・ブックスを制作していた一方で、商業的にアーティストの本を刊行する出版社も出始める。パリの出版社ソレイユ・ノアールもその一つ。それらの作品の特徴の一つに、本の装丁、デザイン自体ではなく、そのケース、パッケージに工夫を凝らしている点が挙げられる。〈奥底の青〉は、アレシンスキーの作品。戦後、世界の各地で同時多発的に起こった、抽象表現主義やアンフォルメル、具体などの表現主義的な動きの一つである「コブラ」のメンバーの一人。独特の記号のような、カリグラフィのような形態が画面全体にちりばめられたような作風で知られている。本のケースはコルク製であり、麻のロープで透明のアクリルの円柱とつながっている。円柱の中にはアレシンスキーの版画が封入されている。本の容器をオブジェとして制作するという意図が明確な作品。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)
カテゴリー:作品
インスタレーションとは?【 美術用語 】 「設置」、「取り付け」という意味。芸術作品を展示するのに際して、その場としての空間に一つ一つの作品を単に展示するというのでなく、いくつかの作品を用いて意識的表現を加えて、空間構成しようとする展示の試み、工夫をいう。よって展示会期中、観者に示されるが、会期が終われば解体される運命にあるもので、ふつう一時的な作品と考えられる。壁や床の配置だけでなく、時には天井から吊り下げられるものもあって、壁・床・天井などに囲まれた空間全体に及ぶものである。目新しく人目をひくようなものや、大がかりなものもあり、1970年代以降、しばしば用いられてきた試みである。 |
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