語源的には「美しく書く」という意味で、東洋でいう書にあたる。物さし、コンパス、定規などの補助手段を用いた「レタリング」と異なり、手書きであること本質とする。元来は紙や布に筆やペンで書くことで、碑などにのみで刻んで書くエピグラフィと区別されるが、碑文なども美しく書かれたものは
カリグラフィに含められる。中国と日本において特に高度に発展し、書の線画が読解を離れて鑑賞されるに至り、独立した芸術ジャンルを形成する。またイス
ラム圏でも重視され、コーランの写本やミニアテュールに用いられている。
ミロ、
クレー、
ポロックなど近代絵画のノン・フィギュラティーフ(非具象)の作家たちは
カリグラフィーを作品に応用し、画面に漢字まがいの形象を散在させている例がある。