![]() |
|||
| データベースを使った楽しいサービスです。文中のキーワードをクリックすると、解説文があらわれ、同時に検索結果が表示されます。ぐるぐるキーワードをたどって遊んでみてください。 | |||
|
けいじじょうかいが 形而上絵画
形而上絵画とは、1917年にパリで提唱されたイタリアの美術運動の一つ。一般に、1915年から18年までのジョルジオ・デ・キリコ,カルロ・カッラ,ジョルジオ・モランディの作品を指す。都市生活のダイナミズムを唱えた未来派の後に、その反動として表われ、神秘的な風景や静物のなかにメタフィジカル(形而上的)な世界を暗示しょうとした。作品の上では、キリコの表現に代表されるように、マネキンや彫像など様々な物体を、思いがけない取り合わせや奇妙な建築的透視空間の中に置くことで神秘的な雰囲気をかもし出すものが多く制作された。そのなかでもカッラは、線や色の視覚的特質により関心を示し、モランディは「形而上絵画を聖化した」と言われる静謐な静物画を追求した。グループとしての形而上絵画は、第1次世界大戦後長くは続かなかったが、キリコを通じてシュル・レアリスムの作家たちに与えた影響は大きい。
カテゴリー:美術用語
エングレーヴィングとは?【 美術用語 】 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは前者の内の一つで最も単純なもの。銅板にビュラン(断面が正方形か菱形の刃をもつ彫刻刀)で線刻し、そのV字型に彫られた凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。ビュランで版材を完全に刻り取ってしまうので、ドライポイントのようなまくれもエッチングのような腐蝕による線のくずれもない、冷たく硬質な線が最大の特徴である。単純な技法ではあるが、抵抗の大きいビュランを自在に操り、髪の毛の数分の一の線からあらゆる太さの線までを彫刻するには相当の熟練を必要とする。「エングレーヴィング」とは正に「彫刻する」意である。15世紀前半には、最初のエングレーヴィング版画が登場している。彫刻に用いる刀の名をとって「ビュラン」と呼ぶことも多いが、その場合は同じくビュランを用いる木口木版もその中に含めて考えることができる。 |
||