貼り紙のことで、装飾紙の切片を画面に貼付する技法。アヴィニヨンの店で木目に似せた壁紙を見た
ブラックが、1913年に、それを静物画の中に貼り込んだのが最初とされる。これは時を経ずして
ピカソにも採用され、キュビスムが分析的段階に至って
抽象的な線の要素に解体した画面に現実感と日常性を回復させるため、新聞紙、切符、模様紙、レッテル、さらに羽毛、砂、針金などを貼りつけ、新しい造形効果と物体感を導入した。20世紀絵画における
オブジェの意識の形成過程にとって重要な契機をなした技法である。のちに
ダダや
シュルレアリスムの
コラージュに発展した。
コラージュは、貼りつけることを意味し、
マックス・エルンストをはじめとする
シュルレアリスムの作家たちが1920年代からよく利用した。本来相応関係のない別々のさまざまな「もの」を、最初の目的とはまったく別のやり方で結びつけ、異様な美やユーモアやロ
マネスク的な領域を絵画に導入した。現実の多様性を画面にとり込むための有力な手段のひとつである。