版画技法。粒子
エリオグラヴュールともいう。手づくりによる写真製版の技法。19世紀前半のヨーロッパで、巨匠の版画などの複製をつくる目的で用いられていた凹版技法。1878年に開発されたグラビア印刷の登場によって、とって代わられた。
アクアチントに似た技法だが、版の質は写真に近い。磨いた銅板の上にアスファルトの粉末を
アクアチントと同じように敷き、そして溶かした上に、重クロム酸カリのゼラチン乳液をおく。次に、透明あるいは中間調の図版フィルムを通して露光する。原画の最も明るい部分は、乳剤が最も堅い部分になり、腐食されずに明るい画面をつくる。なお、エリオ(ヘリオ)とは、「太陽」の意味で、露光によってつくるこの版画技法の特徴をあらわしている。
ルオーは、この技法によってパステルなどの原画を銅版へ移した後、さらに
アクアチントや
ドライポイントによって手を加えるという
銅版画の手法を使った。