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鑑賞+造形

イヴ・クラインの作品鑑賞〈空気の建築;ANT 119〉とボディプリント

 イヴ・クラインの作品〈空気の建築;ANT 119〉(徳島県立近代美術館蔵)を題材にした鑑賞と造形活動が一体となったプログラム「ボディプリント」を紹介します。イヴ・クラインは、モデルの女性の体に青い絵の具を塗り紙の上に押しつけ、さらにその上からスプレーで絵の具を吹き付け、体の形を白く型抜きしてこの作品を制作しました。その表現方法を、手や顔、身近な道具をプリントした紙芝居で楽しみながら理解。そして、実際に体に描くボディペインティングで遊んだ後、紙に体を押し付けてプリントします。
 先生たちにとっても、イヴ・クラインの作品を子どもたちと鑑賞し造形活動を楽しむことで、「絵は筆で描くもの」「アートは難しいもの」といったそれまでの型にはまった考え方が揺らぎ、美術について改めて考える機会になるのではないでしょうか。

○年齢: 3~5歳児
○活動場所: 屋外(汚れても良い状態にしたベランダや園庭など)
○時間: 4、5歳児は、鑑賞(紙芝居と掛図の鑑賞30分)と造形活動(ボディペインティングとボディプリント60分程度)
 3歳児は、鑑賞と活動は分けて行うなど子どもの実態に合わせて無理のないように計画する。
○用意するもの: 鑑賞-紙芝居、イヴ・クラインの作品掛図
 造形-ボディペインティング用の絵の具(手作りする場合はカセットコンロ、鍋、片栗粉、水、たらい、バケツ等)、子どもの全身が入るくらいの大きさの模造紙や障子紙など

作品鑑賞


イヴ・クライン〈空気の建築;ANT 119〉の掛図を使って「おしゃべり鑑賞」をして楽しみます。

紙芝居「空を飛んだ画家 イヴ・クライン」を見る


身近な道具や体の一部に絵の具を塗って写し取ったり、型紙などを使ってスパッタリング*した紙芝居を見て、イメージを広げたりして作品の技法を理解します。
*金網とブラシなどを使って、霧状の絵の具を画面に定着させる技法。

身体のどこをうつしたのかな? / どうやって表したのか考え中

ボディ ペインティング


自分の体に絵の具を塗って遊びます。手が汚れるのが苦手な子には、無理をせず、指先に絵の具を付けて紙にペタペタして遊びます。

筆で塗ると気持ちいいよ

ボディ プリント


絵の具でたっぷり遊んだ後は、自分の体の形を紙に写し取ります。紙の上に寝てぺたっとしたり、体の上に紙をのせてペタペタしたり写し方はいろいろいろです。

友だちと協力して紙の上に体を写し取っている様子 / 絵の具のついた体の上に紙をのせて、友だちや先生がやさしくタッチ / 思い思いのポーズでペタッ

[ボディペインティング用絵の具の作り方]
① 鍋に水3リットル、片栗粉250ccを入れ沸かす。
② 木ベラで鍋底から混ぜながらとろみが付くのを待つ
③ とろみがついてきたら弱火にして絵の具を入れる。
④ 混ぜるとかきたま汁のようになるが、
  ゆっくり丁寧に混ぜていくとだんだんなじんでくる。
⑤ できあがり
⑥ 大きなたらいに入れて一晩冷ます。

[ポイント・コツ]
◯鍋の中の絵の具は濃く見えるので、紙に塗って試しておくとよい。
◯前日準備を行っておくことで当日は子どもも保育者も思いっきり楽しめる。
◯片づけは5歳児と! たらいを洗ったり、
 片栗粉の固まりを大事に拾ったりと楽しむ子もいますよ。

□発展として

美術館での作品鑑賞


クライン〈空気の建築;ANT 119〉は徳島県立近代美術館の所蔵作品ですが、展示替えがあるためいつも飾られているわけではありません。チャンスをみつけてぜひ本物の作品を鑑賞して欲しいと思います。

展示室での子どもたちのようす


この作品を美術館に来て見つけると「これ、知ってる!」「前(掛図を見たとき)と違うものが見えてきた!」と作品の前で話が弾みます。絵の具の感触やにおいを思い出した子もいました。「どうして青色だけで絵を描いたの? 何か悲しいことがあったの?」と学芸員に質問した子もいました。作品を身近に感じ、作者へ思いを巡らせていたのでしょう。
造形

シャボン玉アート

たっぷりシャボン玉で遊んだ後、シャボン玉の絵を描く活動です。始めにシャボン玉の形や色、とんでいく様子をよく見るように伝えておきます。観察して分かったことや発見したことなどを子どもたちと共有します。子どもたちは、遊びながらシャボン玉の大きさで飛び方が違うことに気づいたり、面白い形やきれいな色を見つけたりして、発見したことをいくつも教えてくれます。そうして、シャボン玉を描くときには、「シャボン玉=丸い形」という概念的な表現ではなく、とても自由な子どもの世界がたくさん絵の中に現れてきます。

 このプログラムでは、絵の具にシャボン玉液の残りや食器用洗剤を少し入れてみましょう。そうすることで透明ビニールなどに描くことができるようになります。屋外のフェンスや遊具に貼ったビニールに描くことで、腕をいっぱい伸ばして描いたり、ビニールの両側から友だちと向き合って描いたりと、いつもとは違ったお絵かきを楽しむことができます。遊びと造形活動がつながることで、普段、絵を描くことが苦手だと感じている子も気楽にお絵かきができるかもしれません。また、異年齢の活動も工夫次第で一緒に楽しむことができると思います。

○年齢: 3~5歳児
○時間: 60分ぐらい(シャボン玉遊び15~20分程度、お絵かき30~40分程度、まとめ)
○用意するもの:
しゃぼん玉をつくって遊ぶ道具一式(しゃぼん玉液、ストローなど)、絵を描く支持体(ゴミ袋を切り開いたものや農業用のビニールシート、透明傘など)、養生テープ、水性絵の具、食器用洗剤、筆、絵の具入(カップや牛乳パックなど)
*筆と絵の具入れは一人1セット

シャボン玉であそぶ


シャボン玉を飛ばして遊ぶ前に「しゃぼん玉の色や形などをよく見てね、後で教えてね」と伝えておきます。

 「雪だるまみたいなシャボン玉ができたよ」「大きいシャボン玉をつくろうとしたら、ながーく伸びたよ」「シャボン玉に、保育所が見えたよ」「黄色とかむらさきとかいっぱい色があったよ」「お空に飛んで行って見えなくなった」など、たくさんの発見があります。「シャボン玉の影を見つけた」といって、ずっと地面を見ている子もいました。
 シャボン玉の形や動きを身体で表現してみても楽しいでしょう。

シャボン玉を描く


いろいろな形や色のシャボン玉を遊具やフェンスに貼った透明のシートに自由に描いてよいことを伝えます。はじめは、丸い形のシャボン玉を描いていても、段々いろんなものを描き出します。イメージがわいてきて描きたくなったらどんどん描けばいいのです。「シャボン玉を描かなくちゃダメでしょ」と言う必要はありません。のびのびと、どんどん描きたくなる感じを大切にしたいですね。


 シャボン玉をしている自分や友達、太陽や花や虫、家や線路や乗り物など子どもの世界がいっぱい絵の中に現れてくるでしょう。

 絵の具入れ(牛乳パックなど)と筆は一人1セット用意します。色は、赤、青、黄、緑があれば十分だと思います。はじめに好きな色を選んで描き始めますが、途中で違う色を使いたくなったら友達と交換してよいことにします。すると、「かえっこして」「いいよ」「この色、まだ使いたいからあとで」と友だちとのコミュニケーションが自然に生まれます。

みんなで描いた絵を鑑賞


発見したことや面白かったことなどを話し合い、活動の振り返りをします。
作品は、長持ちしないので造形あそびとして捉え、写真などで記録しておくことをお勧めします。

やってみようと思う先生へ



●洗剤に含まれる界面活性剤の働きで、水性絵の具だけならはじいて描けないビニールにも描くことができます。100㏄ぐらいの絵の具なら洗剤を数滴加えて、ビニールに描いてみてください。ピタッと気持ちよく引っ付く感じになったら準備OKです。
●透明のビニールに描くとまわりの風景が透けて見えるので白い紙に描くのとは違った楽しさがあります。カラーのビニール袋(黒、赤、青など)に描くのも面白いです。
●絵の具を濃いめに溶くと色や形がはっきりします。薄く溶くと透明感が出ますが描くときに垂れやすくなります。それを失敗と思わず、絵の具が垂れていくようすを子どもたちと一緒に楽しむのもいいと思います。
●異年齢の子どもたちと活動するのもお勧めです。一緒にシャボン玉で遊んだ後、お絵かきをする場所を年齢ごと、クラスごとに分けておくと活動しやすいですし、クラスごとの共同制作にもなるでしょう。

発展

二度楽しむ「ビニール傘の絵」


ビニールに簡単に絵の具で描けることを利用して、いろいろなものに絵を描いてみましょう。たとえば傘。お気に入りの絵を描けば自分だけの傘ができます。しかし、絵の具の耐久性は低いので、しばらく飾った後は、雨に日にその傘をさしてみんなでお散歩することをお薦めします。シャボン玉液で描いた絵が、泡立ちながら雨と一緒に流れていくのを楽しみましょう。
 でも、せっかく描いた自分の絵がなくなるのは残念ですので、今度はビニール傘に、油性マジックやビニール専用の絵の具などで絵を描いてみましょう。耐久性が上がり、生活の中で実際に使うことができます。雨の日が楽しみになるかもしれませんね。

お問い合わせ
「アートの日」についてのご質問はお電話で。
これから取り入れてみたいとお考えの先生はぜひご連絡ください。
TEL 088-668-1088 (9:30-17:00) FAX 088-668-7198
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