徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
学芸員の作品解説
シーソー1
1968年
リトグラフ、エッチング 紙
100.0×100.0
1968年
リトグラフ、エッチング 紙
100.0×100.0
吉原英雄 (1931-)
生地:広島県
生地:広島県
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吉原英雄シーソー1
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この執筆者の文章
吉原英雄 「シーソー1」
竹内利夫
大阪市立美術研究所に学ぶ。1954年吉原治良に師事しゲンビ展に出品。具体美術協会、デモクラート美術協会、日本版画協会展などに参加する一方、国際的な版画展で受賞を重ねる。リトグラフや銅版を併用して臨場感のある虚構空間を描き出すことで知られ、現代人の不安感を反映したものといわれる。1955年頃からリトグラフを手掛け、初めは具象的な描画を行い、未知の技法の探究にいそしんだ。1960年から抽象的な色面による表現へ移り、1965年以降はリトグラフと銅版画を併用して、抽象的な色面の組み合わせと女性像などを組み合わせる作風へ向かっていった。〈シーソー1〉は4つのユニットからなっている。実際のシーソーの場面が描かれているわけではなく、シャープなブルーの背景と女性のシルエットが組み合わされており、それがさらに4つ突き合わされて宙吊りで回転するような空間を作るというものである。
作家自ら「サスペンス」という言葉にこだわってきたように、ややエロティックであり同時に不安をあおるような衝撃が吉原の求めてきたものだった。簡潔でクールな図柄の扱いによって、この作品は一つの転機となっている。1968年の東京国際版画ビエンナーレ展で文部大臣賞を受賞した。
特別展「コレクションでみる 20世紀の版画」図録 第1部 戦後の展開 3. 日本の活況 (2)刷新者たち
1997年4月12日
徳島県立近代美術館 竹内利夫
1997年4月12日
徳島県立近代美術館 竹内利夫