徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
キース I
1981年
ハンドメイド・ペーパー
88.9×67.9
チャック・クロース (1940-)
生地:アメリカ
データベースから
クロースキース I
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チャック・クロース 「キース I」

竹内利夫

 1958年からシアトルのワシントン大学に学び、62年文学士号取得。同年よりイェール大学に学び、翌年に美術学士号、その翌年に美術修士号を取得。1964年から、2年間、ウィーンの造形芸術アカデミーに学ぶ。抽象表現主義の作風から出発し評価も受けたが、既製のイメージを用いたオブジェの制作を経て、1966年巨大な写真そっくりの人物像を描き始める。完全に機械的な制作過程による彼の巨大な「肖像画」は、視覚情報の認識という主題を根底に持っている。
 この作品は、彼のグリッドを利用したシステマティックな方法論を複数制作化に適用したもので、その「版」の解釈は独創的である。使われる材料は数段階の諧調に染色された紙パルプで、それらを紙の上の決められた場所にたらして制作される。その注入を仕切る格子が、いうならば版として機能しているのである。全ての格子に指定された色パルプの注入が終わると、プレスと乾燥に掛けられてクロースの「版画」が生まれる。
特別展「コレクションでみる 20世紀の版画」図録 第1部 戦後の展開 4. 版画の拡がり
1997年4月12日
徳島県立近代美術館 竹内利夫