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はくいをまとえる 白衣を纏える
「白衣を纏える」は1928年、パリ滞在中の作品です。椅子に静かに腰を下ろした裸婦が、褐色を基調に、きびしく抑制された色彩で描かれています。豊かな手足の表現、彫刻的なまでに力強い量感のとらえ方などは、新古典主義と呼ばれる時期のピカソに学んだ成果なのでしょうか。派手な色彩やポーズの面白さはありませんが、それだけに重厚で気品のある作品となっています。作者の内なる詩情がにじみ出ているかのようです。まちがいなく伊原の代表作の一つに数えられる作品でしょう。彼にとってもこの作品はお気に入りの作品の一つだったらしく、四十年近くたってからも、使い古したパレットをキャンバスがわりに描いたこれと全く同じ図柄の作品を残しています。
カテゴリー:作品
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