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 作家(1701)

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じんぶつ

人物

作家名:パブロ・ピカソ
制作年:1927年
技 法:エッチング 紙
画面全体に縦横無尽に線が走り回っているが、ここには人物が表現されている。タイトルの別称は〈低いテーブルのある、ソファの上の二人の裸婦〉。画面右上に一人の人物の小さな頭がある。もう一人の人物の頭は左上に大胆にデフォルメされて描かれている。その他の人体の部分については、どれがどの人物のものかは明確ではなく、入り組んでいる。また、体のプロポーションも大幅に変更されており、特に目立つのが、頭の小ささにくらべて足が異様に大きいという点である。また、画面左、上、右下等に模様が刻まれているが、これは二人の裸婦が座っているソファを表すものと思われる。特に曲線の多用が目につくが、それはキュビスムの中でも自然主義的な物の形態が復活していた1910年代後半から20年代初頭の総合的キュビスムのうちで、後半の時期にも見られる傾向である。またこの時期は新古典主義の時期とも並行するが、そのなかに見られる丸みを帯びたモニュメンタルな人体表現にも曲線の使用の要素が見て取れる。それと同時に、極端にデフォルメされた怪物のような、あるいは病的にも見える痙攣するような人体表現が印象的である。1920年代半ば以降に決定的な展開を見せた、ピカソの作風変化をよく表している。銅版画の技法に習熟し、エッチングの自在で柔らかい線の効果が十分に発揮された、シュルレアリスムとの関連を思わせる、40代半ばのピカソ円熟期の作品である。(「変貌するひとのすがた ピカソの版画」(コレクション+αで楽しむシリーズ) 2006年)


カテゴリー:作品
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エッチングとは?【 美術用語 】

版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内で最も代表的なものである。エッチングの語源は「腐蝕」。まず銅板にグラウンド(防触剤)を均一にひき、ニードル等の鉄筆状のもので描画すると、描いた線の部分のみ銅板が露出される。これを酸にひたし、腐蝕時間によって線の深浅(太細)を調整する。そしてグラウンドを除去し、凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。エッチングの特徴は、直刻法に比べて描画が容易であり、線の表情も腐蝕の深さによって自由に加減できることである。欧州では13世紀頃から金属細工師が腐蝕を用いて図案の線刻を行なっている。それを応用したエッチング版画の登場は16世紀初頭と考えられており、17世紀にはレンブラントを頂点として数多く制作された。日本では1931年、西田武雄によって専門誌『エッチング』が創刊され、日本の現代銅版画の創成期における、エッチングの研究・普及に大きな役割を果たした。

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