作家名:
高村光雲
制作年:1898-1901年
技 法:木
古代の闕腋袍(けってきほう)を身に着けた青年が、文書をおさめた柳筥を捧げ持つ姿を表した像。闕腋袍は、朝廷で文官や若年の文官が用いた朝服。光雲は明治31年(1898)に京都・奈良などの古社寺を巡っていることから、その間に関心を持った古代風俗を本像に表現したのではないかという指摘がある。確実な制作年次や詳しい伝来の事情は明かではないが、像底に刻まれた「従六位に叙せられていた明治31年9月から34年4月までの間に制作されたと推測されている。(「
高村光雲とその時代展」図録 2002年)