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わかいふじんのしょうぞう

若い婦人の肖像

作家名:ニコラ・ド・ラルジリエール
制作年:17世紀末−18世紀前半
技 法:油彩 キャンバス
同世代の宮廷画家イアサント・リゴーが、王侯や宮廷婦人の肖像画を手がけていわば「王家の画家」としての名誉を得たのに対し、彼の好敵手であったラルジリエールは、高等法院評定官をはじめ、銀行家や大ブルジョワなど、役人や富裕な市民階級の人々の注文を受けて活躍し、いわば「小役人の画家」あるいは「ブルジョワ市民の画家」として、当代一流の肖像画家の名声を確立した。ダルジャンヴィルは次のように述べている。「この画家はフランス宮廷とはあまり関係を結んでいない。むしろ一般市民のために制作することを喜んだ。その結果、優遇を得ることはなかったが、収入は宮廷に出入りしていた頃よりも急速に増えた。」アントウェルペン、ロンドンで修業を積み、そこでヴァン・ダイクの絵画に見られるような重厚かつ豊麗なフランドル絵画の様式を身につけたラルジリエールの作風は、フランドル的な造形と色彩の影響を受けながら、フランスらしい軽快で洗練された美しさを湛えている。歴史画、風景画、静物画など多彩な分野に筆をとったが、60年余の活動期の中で実に1500点をこえる肖像画を残した。その肖像画は女性的な優しさをもつロココ風のもので、リゴーの男性的な美を持ついかにも17世紀風の様式に比べると、明らかに新しい時代の到来を予告しているといえる。この作品は、楕円形の画面に落ち着いた褐色の色調によって簡略化された背景に描かれ、優美で女性らしい雰囲気を醸し出すとともに、ショールの赤や唇と頬の紅の色彩が画面に華やかさと明るさを添えている。ラルジリエールらしい軽妙な女性肖像画である。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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バロックとは?【 美術用語 】

広義では16世紀末から18世紀初めまでの美術、文学、音楽等の様式や、時代精神を指す。美術においてはルネサンスの後にくるマニエリスムと、18世紀のロココの間にあたる。狭義ではベルニーニをその代表とする1630年頃のイタリアの建築、彫刻、絵画のことを指す。ルネサンスの成果である新しい科学技術によって、交通手段や情報伝達が発達したこの時代、人々の世界観は大きくゆらぎ始めた。古代ギリシア,ローマを模範とする考えはそのバランスを失っていく。しかし、なおかつ新たな統一を目指そうという傾向が生まれた。装飾過多であったり、形をゆがめたり、特定の瞬間に焦点をあてたり、線よりも面や光を重視したりする手法がとられるようになる。それらはおおむね、迫真性をもった劇的な表現を見せているが、この時代の精神の多岐にわたる現われ方は、けっしてひとまとめにできるものではない。この時代の作家たちとして、ベルニーニのほかに、カラヴァジオ、ルーベンス、レンブラント、フランス・ハルスエル・グレコ、ベラスケスらがいる。

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