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もーりっつぶるくですいよくするじょせいたち

モーリッツブルクで水浴する女性たち

作家名:エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー
制作年:1909-10年
技 法:多色(5版)木版 和紙
20世紀初頭のドイツの美術思潮を支配したのは表現主義である。それに先立つフランスを中心とした印象主義は、外界の対象を自らの内に映しとること、すなわち外から内へという方向性を持っていたが、表現主義はそれとは逆に、内面の感情や理念といったものを外へ向かって表出していくこと、すなわち内から外へという方向を持っていた。 キルヒナーは、このドイツ表現主義を担った重要なグループ「ブリュッケ」の主要メンバーである。橋という意味のブリュッケという言葉には「一つの岸辺からもう一つの岸辺へとつないでくれる」という意味が込められている。 ブリュッケは、1905年に結成され、13年には解散した。この作品は、その最盛期にあたる1909年から10年の作である。当時、原始美術の素朴な形態に興味を引かれていたキルヒナーは、水浴する人々をテーマにした一連の木版画を制作した。遠近法に基づいた奥行きや空間のとらえ方は、ここでは否定された。そのために、人体も背景も同じ平面上で響き合っている。また、人体の各部分は、理想的なバランスがあえて崩されていて、ぎくしゃくとしたものとなっている。簡潔な形態は、素朴な力強さを持っており、青、赤、黄、緑、黒といった強い色面がそれをさらに強調している。 これらの形態や構図、色遣いは、もっぱら作り手の内面からわき上がってくる要請に応じて生まれたもりであった。それらは、外界の事物を写し取ろうという態度からは決して生じないものなのである。 さらに、これが木版画であることが重要である。木版画という技法が本来もっている、形態や色彩の素朴で力強い表現力が、制作意図とうまくかみ合い、この作品は生まれたといえるだろう。制作技法と作り手の感性の幸福な出合いをここに見ることができるのである。


カテゴリー:作品
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キュビズムとは?【 美術用語 】

1907年から08年頃ピカソブラックによって始められた芸術運動。立体派と訳される。それまでの絵画の「視覚のリアリズム」に対して「概念のリアリズム」を主張し、三次元的現実社会の概念を二次元的に翻訳するとともに、絵画を一つの美的存在として結実させることを目的とした。セザンヌキュビズム、分析的キュビズム、総合的キュビズムの各段階に区分される。ルネッサンス以来の写実的伝統から絵画を解放したものとして、20世紀の最も重要な芸術運動の一つと目される。ピカソの〈アヴィニョンの女たち〉がその最初の作品といわれるが、1908年にマチスがブラックの風景画を「キューブ(立体派)」の言葉をもって評したのが名称の起りとなる。代表的な作家としてピカソブラックのほかに、レジェグリス、ヴィヨン、デュシャン、ドローネ、ピカビア、クプカなどの画家があげられる。ほかにアーキペンコアンリ・ローランスなどの彫刻家も参加している。

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