特別展 「アメリカ版画の今   5つの工房から」 の開催について

趣旨
 現代版画における工房の活躍がめざましい、アメリカの現状を紹介する展覧会です。様々なアーティストたちに版画制作の喜びと実験を提供し続ける工房にスポットを当て、作家と技術者との共同が生み出すアートの可能性に迫ります。
 出品内容は、5つの版画工房からそれぞれ推薦された、新旧多彩な顔ぶれの作家たち38名の作品76点です。写真やデジタル技術の活用はもとより、木版画や刺繍といったハンドメイドの世界が新しい技術として生まれ変わった作例など、「版」の広がりに驚かれることでしょう。
 版画の分野を通してアートの現在形をお楽しみいただけるだけでなく、多種多様な表現のそれぞれが根ざしている、多元的なアメリカ文化のありように触れる好機となればと考えます。

1展覧会名  アメリカ版画の今   5つの工房から

2 会期    平成20年7月19日[土]−8月31日[日]

3 会場    徳島県立近代美術館展示室3(2階)
         (徳島市八万町向寺山 https://art.bunmori.tokushima.jp/)

4 観覧時間  午前9時30分−午後5時
  休館日    月曜日(7月21日は開館)、7月22日[火]

5 主催     徳島県立近代美術館/徳島新聞社/四国放送
  後援     NHK徳島放送局/エフエム徳島/徳島県文化振興財団
  企画協力  版画京都展実行委員会(KYOTO>版画)/
          タマリンド・インスティチュート(アルバカーキ)

6 観覧料
一般600[480]円/高・大生450[360]円/小・中生300[240]円
[ ]内は前売りおよび20名以上の団体料金。小・中・高生は土・日・祝日・秋休みは無料です。高齢者(65歳以上)、障害者割引(半額)は受付でお申し出下さい。

●前売り券販売所:文化の森ミュージアムショップ/徳島新聞社/徳島県職員 本店/紀伊國屋書店 徳島店
ローソンPLUS(10店):徳島津田本町店、徳島安宅3丁目店、徳島八万町下福万店、鳴門市役所前店、阿南新野店、阿波病院前店、徳島不動店、徳島中吉野町店、羽ノ浦中庄店、吉野川市牛島店
ローソン(2店):東みよし町昼間店、海陽町杉谷店
  ※開催日の約一ヶ月前から取り扱っています。
  ※ローソンPLUS・ローソンは一般券のみの取り扱いです。

7 関連事業

         ▼ワークショップ「メゾチントと木口木版」
           7月21日[月・祝] 午前10時−午後4時
           講師:坂爪厚生(銅版画)・斎藤修(木口木版)
           アトリエ/材料費必要/定員:メゾチント8名・木口木版6名
           往復葉書にて申込/締切日=7月11日

         ▼ゲスト・トーク「版画工房とコラボレーション」
           8月17日[日] 午後2時−4時
           講師:板津悟(イタヅ・リトグラフィック主宰) 
           展示室3(観覧券をお求めください)

         ▼学芸員による展示解説
           7月20日[日]/8月24日[日] 午後2時−3時
           展示室3(観覧券をお求めください)

         ▼こども鑑賞クラブ
           8月30日[土] 午後2時−2時45分
           展示室3/小学生対象(保護者同伴可・子どもは無料)

8 主な出品作品

         1 ピラミッド・アトランティック
            ケビン・マクダネル〈理想の郊外〉2000年 スクリーンプリント

         2 ソロ・インプレッション
            ケント・ヘンリクソン〈子供の童話:ピンクI〉2005年
            リトグラフ、デジタル刺繍、リネン

         3 ポールソン・プレス
            クリス・ヨハンソン〈謎のこたえが解りますか?〉2002年
            シュガーリフトアクアチント

         4 セグラ・パブリッシング
            エンリック・チャゴヤ〈忠義〉2003年 
            エッチング、アクアチント、ゴム印

         5 タマリンド・インスティチュート
            ハン・リュウ〈野原の蓮〉1999年 リトグラフ

 など、新旧多彩な作家38名の作品76点を展示。5つの版画工房ごとにコーナーを設けて紹介します。
 ※別紙 「展示構成」もご覧ください。


〈展示構成〉
5つの工房ごとにコーナーを設けて展示します。各工房の概略と主な出品作品は次のとおりです。

1 ピラミッド・アトランティック  様々なプログラムにより社会的な広がりを実践
 1981年に設立された非営利の工房。これまでの25年間に100人を越える世界の美術家と共同制作を行なってきました。あらゆる種類の版画、紙造形、ブック・アート、デジタル・アートの創造に貢献し、また個展の企画や版画出版の事業も行なっています。さらに美術教育や社会人教育等、行政と組んだプログラムを積極的に受け入れています。

ケビン・マクダネル
理想の郊外
2000年 スクリーンプリント

ティム・ローリンズ+KOS
輝く光の中NO.4
2004年 スクリーンプリント、シンコレ


2 ソロ・インプレッション  伝統とデジタル技術の融合
 女性としてはじめてタマリンドを卒業したジュデイス・ソロキンが1975年に設立。ニューヨーク、チェルシー通りの工房はリトグラフ、木版、活版、孔版、刺繍など、伝統的手法と現代的なデジタル技術で版画を創造する工房です。作品はニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館等に収蔵され、革新的な作品制作の手助けを多くの美術家に提供してきました。

ケント・ヘンリクソン
子供の童話:ピンクI
2005年 リトグラフ、デジタル刺繍、リネン

アレキサンダー・ロス
無題
2001年 リトグラフ


3 ポールソン・プレス  銅版画を得意とする
 版画の伝統豊かなサンフランシスコ・ベイエリアで技術を磨いた創立者パメラ・ポールソンは、1997年にC.ブラウンの銅版画を最初に手がけることで銅版画の制作と出版の工房をスタートしました。以来20名を越える作家の作品を200点以上出版していますが、より良い版画制作の環境を作家に提供しようとする姿勢がこの工房の大きな特徴です。

マリー・リー・ベンドルフ
家の平面:ムラサキ
2005>年 アクアチント

クリス・ヨハンソン
「謎のこたえが解りますか?」
2002年 シュガーリフトアクアチント


4 セグラ・パブリッシング  写真家やコンセプチュアルな傾向に対応
 審美的な版画を制作することで知られるセグラは1981年に創立、世界各地から優れた作家を選び高いレベルの版画を制作してきました。特にモノタイプ、モノプリント、少数限定の版画を制作、また写真家やコンセプチュアルな傾向が強い作家のために、19世紀の古典的な写真技術からコンピュータのデジタル技法まで用意しています。

エンリック・チャゴヤ
忠義
2003年 エッチング、アクアチント、ゴム印

クラウディア・ベルナルディ
時の設計
2007年 モノプリント


5 タマリンド・インスティチュート  リトグラフ工房の老舗。世界の版画工房をリード
 タマリンドは洗練された「石版」技術を受け継ぐ工房として、1960年ロスアンジェルスに誕生。その後アルバカーキに移り、リトグラフのマスター養成から美術学生を指導し、石版画を制作したい画家たちをも支えてきました。作品制作からリトグラフの研究と資料収集、出版等幅広い活動をしている、世界に二つとない研究所です。

ジム・ダイン
クリーリーのための道具3
2007年 リトグラフ

ハン・リュウ
野原の蓮
1999年 リトグラフ

 

 

資料提供
月日 担当館名 電話 担当者
6月26日 県立近代美術館 tel 088-668-1088
fax 088-668-7198
 竹内