所蔵作品展「徳島のコレクション2009-II 新収蔵作品を中心に」の開催について

1 趣旨
  この展覧会は、徳島県立近代美術館の所蔵作品をご紹介するものです。
  所蔵作品展は、当館のコレクションの方針によって、「20世紀の人間像」「徳島ゆかりの美術」「現代版画」の3つのコーナーに分かれています。
  今回は、平成20年度に新たに収蔵した作品を中心とした展示を行います。

2 会期    2009年4月18日(土)〜 7月20日(月・祝)
          会期中、現代版画のコーナーは3期に分けて展示替えを行います。
          また、その会期に合わせて、他のコーナーでも一部展示替えを行います。

3 会場    徳島県立近代美術館
          [展示室1、展示室2、美術館ロビー、屋外展示場、彫刻の小径]

4 開館時間  午前9時30分−午後5時

5 休館日   月曜日(5月4日は開館します)
          5月7日(木)

6 観覧料   一 般    200円(160円)
         高・大生  100円 (80円)
         小・中生  50円  (40円)
          * (  )内は20名以上の団体料金。
          * 高齢者【65歳以上】、障害者割引があります(半額)。
          * 祝日及び振替休日は無料です。
          *小・中・高生は土・日・祝・振替休日、春・夏・秋・冬休み中の観覧料が無料に
           なります。

7 関連事業
  【学芸員による展示解説】
   ・4月29日(水・祝)
   ・5月30日(土)
   ・6月28日(日)
      時間:いずれも午後2時〜2時45分
      場所:展示室1、2(2階)
      解説者:安達一樹(専門学芸員)
    ※ 4月29日は祝日のため全ての方が無料で参加いただけます。
    ※ 土・日曜日は、一般・大学生の方は観覧券をお求め下さい。(小中高生は無料)

8 出品内容

   当館の収集方針にあわせて、3つのコーナーで展示します。

  【20世紀の人間像】新収蔵作品を中心に (展示室1)
      今回は、平成20年度の新収蔵作品を中心とした展示です。人間像をテーマと
     した作品で、新たにコレクションに加わったのは、坂井淑恵(さかい よしえ)
     の《間の人》(あいだのひと)です。
      坂井は1965年千葉県に生まれ、93年京都市立芸術大学大学院を修了しました。
     2000年には40歳以下で推薦を受けた作家が新作を発表するVOCA展(上野の森
     美術館)に出品し、奨励賞を受賞しています。この《間の人》は1995年の作品で、
     坂井が自らの画風を確立した時期のものです。
      この坂井が美術界に登場した、1990年代初頭は、いわゆるバブル経済から失
     われた10年へと社会が転換する時期に当たります。これに合わせて、このコー
     ナーでは1980年代後半以降の作品を中心に展示します。そこに表された人間像
     には、時代が端的に映されているように思われます。

     ○ 出品点数:全48点(新収蔵1点)
        (内訳)
       4月18日[土]−5月17日[日]  35点(今期のみ6点、全期間展示29点)
       5月19日[火]−6月21日[日]  35点(今期のみ6点、全期間展示29点)
       6月23日[火]−7月20日[月・祝]36点(今期のみ7点、全期間展示29点)

  【現代版画】新収蔵・上前智祐の版画 (展示室1)
      ■ 上前智祐の版画1   4月18日[土]−5月17日[日]
      ■ 上前智祐の版画2   5月19日[火]−6月21日[日]
      ■ 上前智祐の版画3   6月23日[火]−7月20日[月・祝]

      平成20年度には、上前智祐(うえまえ ちゆう)の版画133点が寄贈されました。
     上前は、版画だけではなく絵画や立体、布や糸を用いた縫いによる作品など
     多様な制作を行っています。この度の寄贈は、上前が版画の制作を始めた1980
     年から2005年までの作品群で、版画作品の全貌に近い内容となっています。そ
     れらを3期に渡って紹介します。
      上前は1920年京都府に生まれました。吉原治良に指導を仰ぎ、54年吉原が率
     いる具体美術協会の結成に参加、72年の解散まで在籍しました。上前は、吉原
     に師事してからは、一貫して非具象絵画を追求し、画面全体を覆う緻密な点と線、
     絵の具や物質の重なり合いを特徴とした作品を制作しています。版画でも、同じ
     版を使いながら色を変えてみたり、版をずらしたりするなど、具体美術協会のこ
     ろから続く実験精神がうかがえるものとなっています。

     ○ 出品点数:全132点(新収蔵132点)
        (内訳)
       4月18日[土]−5月17日[日]  67点(今期のみ67点)
       5月19日[火]−6月21日[日]  43点(今期のみ43点)
       6月23日[火]−7月20日[月・祝]22点(今期のみ22点)

  【徳島ゆかりの美術】新収蔵作品を中心に (展示室2)
      このコーナーでは、県出身や徳島ゆかりの作家の作品のほか、徳島の風景や風
     物に題材をとった作品などを展示します。
      今回は、平成20年度の新収蔵作品を中心とした展示です。
      県出身作家では、石丸一(いしまる はじめ 1890-1990年 現・小松島市生まれ)、
     喜井黄羊(きい こうよう 1901-97年 現・美波町生まれ)、清原重以知(きよはら
     しげいち1888-1971年 現・阿南市生まれ)、三宅克己(みやけ こっき 1874-1954年
     徳島市生まれ)の作品や資料が寄贈されました。
      石丸は、初期から晩年までの変化に富んだ画風の作品、喜井は戦前期の屏風、
     清原は本館の所蔵作品<雪暮れ>(1937年 第1回新文展出品)とほぼ同じ図柄の小
     品です。
      また、県外の作家が徳島の風物を描いた作品として、大野俊明(おおの としあき)、
     竹内浩一(たけうち こういち)、中野嘉之(なかの よしゆき)から、2007年に当館で
     開催した「日本画−和紙の魅力を探る」展への出品作品を寄贈いただきましたので、
     ご紹介します。

     ○ 出品点数:全34点(新収蔵15点)
        (内訳)
       4月18日[土]−5月17日[日]  23点(今期のみ7点、全期間展示16点)
       5月19日[火]−6月21日[日]  22点(今期のみ6点、全期間展示16点)
       6月23日[火]−7月20日[月・祝]21点(今期のみ5点、全期間展示16点)

    このほかに、美術館ロビー、屋外展示場、彫刻の小径に12点を展示します。

     ○ 総出品点数(会期中展示替を含む総点数):226点(新収蔵148点)
       4月18日[土]−5月17日[日]  137点(今期のみ80点、全期間展示57点)
       5月19日[火]−6月21日[日]  112点(今期のみ55点、全期間展示57点)
       6月23日[火]−7月20日[月・祝] 91点(今期のみ34点、全期間展示57点)

     ○ 分野別内訳:(会期中展示替を含む総点数)
        油彩画他37点、日本画16点、彫刻・立体20点、版画132点、水彩画8点、
       素描1点、写真12点

資料提供
月日 担当館名 電話 担当者
4月14日 県立近代美術館 tel 088-668-1088
fax 088-668-7198
学芸員 安達  
     森、吉原