特別展「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」の開催について

趣旨
 堀内誠一(1932-87年)は、弱冠14歳で新宿の伊勢丹百貨店宣伝部に入社以来、ショーウインドウのディスプレイや広報などのデザインで早熟な才能を発揮したのを皮切りに、アート・ディレクターとして、雑誌「平凡パンチ」や「アンアン」、「ブルータス」などにおける革新的な誌面作りで雑誌黄金期を築いたデザイナーです。
 また、『くろうまブランキー』『ぐるんぱのようちえん』『たろうのばけつ』ほか、多くの人気絵本を生み出した絵本作家としても活躍し、多彩な創作活動を繰り広げました。
 さらに、世界各地を旅して、多くのイラストや絵手紙を残した「旅行家」でもあります。持ち前のセンスで物事の本質を見極め、魅力的な世界の風景や、世界各地の知られざる絵本作家たちを鮮やかに紹介し続けました。
 この展覧会では、「デザイン」、「絵本」、「旅」の大きく三つの側面に焦点を当て、各時期に生み出された作品を通じて堀内誠一の生涯にわたる活動の変遷をたどりながら、その全貌に迫ります。
1 展覧会名
特別展 「堀内誠一 旅と絵本とデザインと」
2 会期
平成22年4月29日[木・祝]−6月13日[日](40日間)
3 会場
徳島県立近代美術館 展示室3(2階)
(徳島市八万町向寺山 https://art.bunmori.tokushima.jp/)
4 観覧時間
午前9時30分−午後5時
  休館日
月曜日、5月6日[木](5月3日[月・祝]は開館)
5 主催
徳島県立近代美術館/徳島新聞社/四国放送
  特別協力
堀内事務所
  企画協力
アートプランニングレイ
  協力
福音館書店/マガジンハウス/平凡社  
  後援
NHK徳島放送局/エフエム徳島/徳島県文化振興財団
6 観覧料
一般600[480]円/高・大生450[360]円/小・中生300[240]円
[ ]内は20名以上の団体料金。
小・中・高生は土・日・祝日は無料。
高齢者(65歳以上)、障害者割引(半額)は、受付でお申し出下さい。
7 関連事業
▼特別対談「都築響一×堀内花子 堀内誠一を語る クリエーターとして・父として」
 5月9日[日] 
 午後1時30分−3時30分 美術館ロビー 申込不要 要観覧券(小・中・高生は無料)
 *都築響一(編集者・写真家)、堀内花子(長女)

▼学芸員による展示解説
 5月2日[日]、5月16日[日]、5月23日[日]
 いずれも午後2時-3時 展示室3 申込不要 要観覧券(小・中・高生は無料)

▼こども鑑賞クラブ
 6月5日[土] 
 午後2時-2時45分 展示室3 小学生対象 申込不要、参加無料(保護者は要観覧券)

※お知らせ
 「県立図書館 5月のおはなし会」

  5月9日(日)、23日(日) 県立図書館こどもの本コーナー おはなしのへや
  いずれも午後1時30分−2時
  *堀内誠一さんの絵本の読み聞かせもあります。タイトルはお楽しみに!
8 展示構成
「序章 父のいた少年時代」
昭和初期を中心に活躍した図案家(デザイナー)の父・堀内治雄のそばで、当時の先端を行くモダンな商業美術(グラフィック・デザイン)の数々に囲まれて成長した少年時代。そして、わずか14歳で入社した「新宿伊勢丹百貨店宣伝課」時代の仕事を振り返ります。

「第1章 デザインの仕事」
千代田光学(ミノルタ)のPR誌「ロッコ−ル」を皮切りに、「週刊平凡」「平凡パンチ」や、「アンアン」「ポパイ」「ブルータス」「オリーブ」など、時代をリードした雑誌のアート・ディレクションを紹介します。

「第2章 絵本の仕事」
『くろうまブランキー』『七わのからす』の2作のデビュー作から、『ぐるんぱのようちえん』や「たろう」シリーズなど、人気絵本作家・堀内誠一の絵本の世界を、多くの原画と共に一望します。

「第3章 旅−パリからはじまる旅の時代」
ヨーロッパを中心に28ヶ国、のべ300都市以上を訪れた堀内。旅先から送られたイラストと手書きの文章による旅行記を中心に、旅行家・堀内誠一の旅をたどります。
※原画、イラスト、資料など約400点。
 *なお、この展覧会は、徳島会場のあと、次の会場にも巡回します。
    佐野美術館(静岡県)     2010年7月10日〜8月29日
    伊丹市立美術館(兵庫県)  2010年9月11日〜10月24日
    新潟市新津美術館(新潟県) 2011年3月5日〜4月10日
【特記事項】
堀内誠一は、立木義浩、立木三朗、三好和義といった徳島出身の有名な写真家たちとも、深く交流しました。 3人の写真家が堀内誠一について語っている文章を以下に抜粋します。
*抜粋は、全て 『堀内さん』 堀内事務所 1997年
立木義浩(写真家・徳島出身)
 堀内さんに教わった中で、僕がいまだに憶えてるのは「すべての写真はドキュメントだ」という言葉。写真はファッションにしてもなんにしても、一瞬を切り取るって作業だから、ビビッドで生き生きしてないといけない。鮨屋の板前と同じで、いいネタをパッと読者に渡す。
 明日腐ってもいいっていさぎよさがないと、写真なんてつまらないんだというように僕は解釈してます。

立木三朗(写真家・徳島出身)
 天才・・・の二文字を思い出した。
 その後、アンアンはとても評判になり、堀内さんとは国外でも国内でも、一緒に仕事をさせてもらった。折に触れ、堀内さんの感覚や着想や博識の非凡さを知り、身近に天才に触れたわが身の幸運を感謝している。

三好和義(写真家・徳島出身)
 堀内さんとの出会いがあって、僕は写真家になれた。−中略−「楽園」というテーマでずっと今も撮りつづけているが、堀内さんが「BRUTUS」で初めて使ってくれた南仏の海の写真が僕のひとつの原点だ。
チラシもご参照下さい。
【広報用画像提供】
チラシに掲載の画像のうち、次のものを提供することができます。お問い合わせ下さい。

表○1 ヴェネツィア、サン・マルコ広場 [堀内誠一発 パリの手紙(8)]の原画 
 ○2 『くろうまブランキー』こどものとも33号 
 ○3 『ぐるんぱのようちえん』こどものとも110号 
 ○4 「アンアン」創刊号(写真/立木義浩) 
 ○5 「オリーブ」創刊号 
 ○6 「ポパイ」創刊号  
 ○7 「アンアン」第6号(写真/立木三朗) 
裏○上 「ローランサン」(1987年創刊予定 マガジンハウス)目次試案ほか 
 ○  『こすずめのぼうけん』こどものとも241号  
 ○  メキシコ、バザール・サバト(土曜市)「空とぶ絨毯(41)」の原画 
  ※キャプション、クレジットの表記などは、お問い合わせの時点でお伝えします。

 【問い合わせ】
 徳島県立近代美術館  〒 770-8070 徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園
  担当:学芸課 友井伸一(ともいしんいち)、吉川神津夫(よしかわみつお)
  電話:088-668-1088 Fax:088-668-7198
  Mail:tomoi-shinnichi-1@mt.tokushima-ec.ed.jp
   (メールは友井宛です。お急ぎの場合は、まずお電話をお願いします。)

資料提供
月日 担当館名 電話 担当者
3月25日 徳島県立近代美術館 tel 088-668-1088
fax 088-668-7198
友井、吉川