特別展「濱谷明夫展 ー藍と造形」の開催について
趣旨
藍染めというと、一般的には服飾を始めとする伝統的工芸的染色のイメージが強くあります。そのような状況に対して、この展覧会では、現代の美術作品として藍染めを用いた造形作品を展示し、現代社会における阿波藍の新たな魅力を見いだそうとするものです。
濱谷明夫(はまたに・あきお 1947-)は、糸を素材とする立体造形作家です。巻く・吊すというシンプルな手法で作品を制作しています。個展やグループ展、国際展への出品のほか、金沢駅東広場や東京の経団連会館など、建築空間での仕事も数多く手がけています。
一本の糸が往復を積み重ね、旋回を繰り返し、支えとなる形に依り、重力に従うことで現れる濱谷明夫の作品は、実に多彩な形態と豊かな表情を見せてくれます。そして、空間に作品が設置されると、糸が糸であると同時に糸であることを超えて空間と関わり、空間が固有の広がりを持ったひとつの場として表されます。
この展覧会では、特に文化立県とくしま推進会議阿波藍の魅力発信協賛事業として、藍で染めた糸を使った新作を展示します。染めは本格的な木灰汁発酵建による藍染めを行っている徳島の染師・村上千晶が担当しました。現代造形と本格的藍染のコラボレーションにより、藍の持つ色彩美を体感できる現代的空間が出現することでしょう。
なお、徳島県立近代美術館のある文化の森三館棟ロビー吹き抜けに設置される藍で染めた糸による新作は、展覧会終了後も引き続き11月上旬まで展示します。
1 展覧会名
特別展 「濱谷明夫展 −藍と造形」
2 会期
平成22年7月17日[土]−9月26日[日](62日間)
3 会場
徳島県立近代美術館 展示室3、美術館ロビー(2階)
文化の森三館棟ロビー吹き抜け
4 観覧時間
午前9時30分−午後5時
5 休館日
月曜日、7月20日[火]、9月21日[火] ※7月19日[月・祝]、9月20日[月・祝]は開館。
6 主催
徳島県立近代美術館
共催
徳島県民文化祭文化の森実行委員会/徳島新聞社/四国放送
後援
NHK徳島放送局/エフエム徳島/徳島県文化振興財団
助成等
文化立県とくしま推進会議 阿波藍の魅力発信協賛事業
芸術文化振興基金助成事業
7 観覧料
一般600[480]円/高・大生450[360]円/小・中生300[240]円
[ ]内は20名以上の団体料金。
小・中・高生は土・日・祝・振替休日及び夏休み期間中は無料です。
高齢者(65歳以上)・障害者は半額。(受付でお申し出ください)
8 展示内容
濱谷明夫による糸を素材とした立体作品。藍で染めた糸を用いた新作を含め、約20点を展示予定。
9 関連事業
▼作家と染師によるトーク
7月31日[土] 午後2時−3時 展示会場
講師:濱谷明夫、村上千晶
申込不要 要観覧券(小・中・高生は無料)
▼学芸員による展示解説
8月22日[日]/9月12日[日]
いずれも午後2時-3時 展示会場
申込不要 要観覧券(小・中・高生は無料)
▼こども鑑賞クラブ
8月21日[土]
午後2時-2時45分 展示会場
小学生対象 申込不要、参加無料(保護者は要観覧券)