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| 「物語と詩」の詳細情報 | |
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| テーマ名称 | 物語と詩 |
| 展覧会名称 |
所蔵作品展95-II 書物のような美術 |
| 説明 | ・物語と詩 19世紀に普及した文芸作品の挿絵本は、次第に画家の重要な表現の場を提供するようになり、20世紀に入って芸術的な版画集の隆盛を迎えます。ルオーの『悪の華』、シャガールの『ダフニスとクロエ』はともに、強烈な個性をもった画家のイメージに満たされています。ピカソの『聖マトレル』はキュビスムの実験を披露する前衛的な挿絵本となりました。このように物語や詩への従属から解き放たれた版画集は、それ自体で純粋に画家の世界を奏でる小宇宙と化していきます。その意味でカンディンスキーの『響き』は先駆的で、色と形が協奏する一続きの楽曲のような詩画集です。マティスもまた書き文字の言葉と切り絵の戯れを、ジャズの即興になぞらえました。ところで木版画の歴史を誇る日本でも、その伝統の克服を求めた創作版画運動に同時代的な成果を見ることができます。中でも恩地孝四郎は木版の叙情的な抽象表現を開拓しました。また西欧の銅版画に魅せられた版画家も輩出し、駒井哲郎は詩的な銅版技法を探究しました。 |