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「II 伝統的表現の変容(1)-表現の折衷と流派の変容」の詳細情報
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テーマ名称 II 伝統的表現の変容(1)-表現の折衷と流派の変容
展覧会名称 近代日本画への道程 「日本画」の19世紀
説明 江戸時代の絵画には、さまざまな流派がありました。狩野派、土佐派、住吉派、琳派、円山四条派、文人画などです。江戸時代の流派は、粉本という手本を学習することで、師から弟子へ表現のあり方を受け継いでいきました。しかし、江戸時代後期になると、西洋画法や、当時新しい表現として受け入れられていた中国絵画などの影響があって、各流派の表現が大きく変化していきます。たとえば、谷文晁は、ほぼ同時期に西洋絵画の模写(No.7)と文人画(No.8)と呼ばれる作品を描いています。そして、南画の様式のなかに写実的表現も取り入れていきました。文晁の弟子の高久靄●(あいがい)、渡辺崋山の作品(No.12, No.18)にも西洋画法の影響がみられます。  このような流派の表現と写生的な表現の折衷は、一部の流派だけでなく江戸末期には、幅広く見られるのです。一方、写生派の画家のなかには、幕末の森寛斎のように(No.30)、新たに中国絵画の影響を受けるものもあらわれます。これらの傾向は、画家たちが、時代の変化に対応しようとする模索の現れですが、流派の表現が少しずつ変化し、場合によれば交差する状況がつくられたことを示しています。明治に入ると、流派の表現は、さらに交差の度を深めますが、江戸時代後期にあった要素を引きついだものといえるのです。
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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