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「第一過渡期(1908-1910)−「印象派風の時代」」の詳細情報
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テーマ名称 第一過渡期(1908-1910)−「印象派風の時代」
展覧会名称 ユトリロ展
説明 モーリスユトリロは白の時代にさしかかっていた。モンマニーの平穏さと巨大建造物の堂々とした全容が、瞑想的な沈黙の中に描かれているのが特徴である。母のシュザンヌ・ヴァドランは銀行家のポール・ムジスと1896年8月5日にパリ18区の区役所で結婚式を挙げ、私生児の彼に義理の父親ができた。  大好きな母から離れることになったユトリロは、自分よりも3歳年下のアンドレ・ユッテルという青年と知りあった。ユトリロは独学だったが、ユッテルは美術学校で絵を学んでおり、彼に技法について教えた。二人はモンマニーや田舎に絵を描きに出かけ、ユトリロは列をなした果樹を描いて遠近法の勉強をした。シスレーの影響を受けた彼の色彩は豊かになり、まるで建築家のようにキャンヴァスの上に(大概は厚紙だったが、金欠病だったので手元にあった支持体の上に)マチエールを築き上げた。  彼は才能の赴くままに巨大な聖堂を画面に構築した。描き、思案し、暗中模索した末、彼の傑作となるつつましい教会が生まれた。  この時代、彼は母親のベッドの中にいる友人のアンドレ・ユッテルを見つけてしまった。この頃には母ヴァラドンとポール・ムジスとの結婚生活はぎくしゃくとしており、1910年に夫に有利な条件で宣告される離婚の最初の徴候であった。
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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