出展テーマ詳細情報
「辺境のたたずまい」の詳細情報
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テーマ名称 辺境のたたずまい
期間 2024年7月13日(土)~2024年9月23日(月)
展覧会名称 大久保英治:辺境の作家1973-2024
説明 大久保は2021年から奈良の明日香村の南にある高取町にアトリエを構えています。この地には、土佐、薩摩、吉備など、日本各地の地名が残っています。それらは、かつて古墳時代から飛鳥時代にかけて日本の政治文化の中心地であった飛鳥を支えるために各地から人々が集められ、住み着いていた名残です。高取は飛鳥に隣接しながらも、中央ではなく、飛鳥を支える周縁にありました。大久保はこのように中央から離れた周縁に注目し、それを辺境という考え方でとらえています*。それは、日本そのものが地理的にアジアの端に位置する辺境であり、美術においてもまた、西洋近代のモダンアートに対して辺境にある、という自覚につながっています。中央を常に意識し、その影響に右往左往する辺境人の積極的な意味とはなんだろうか。大久保は、美術とは、日本人とは、歴史とは、という大きな問いかけに、辺境人としてアプローチしようとしています ロビーの写真パネルで紹介している〈支〉は、高取町の市尾墓山古墳を背景に立っています。作品の中央上部の大きな石を、周りの木材が支えている姿は、中央と辺境人との在りかたを象徴しています。高取という場所に在ることに大きな意味がある作品です。〈辺境のたたずまい〉のコーナーには、この高取の地で使われてきた鍬(ルビ:くわ)や鋤(ルビ:すき)、鎌(ルビ:かま)などの農具による複数のオブジェ作品を設置したものです。これらは、今は大久保のアトリエとなっている民家の納屋に残されていたものです。 *内田樹 著『日本辺境論』新潮社 2009年
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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