出展テーマ詳細情報
「60年代以降 アーティスツ・ブックスの時代」の詳細情報
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テーマ名称 60年代以降 アーティスツ・ブックスの時代
展覧会名称 本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで 展
説明 アーティスツ・ブックス、あるいはフランス語でリーヴル・ダルティスト。それは字義通りには「芸術家の本」であり、画家の著書や画集、カタログ、あるいは芸術家の蔵書などを意味することになります。しかし、一九六〇年代以降の美術の動向においてこの言葉が用いられる時には、アーティストが本という形式や特性、メディアとしてのあり方などへの考察に立脚して、芸術行為、アート・ワークとして制作したものを指します。  簡素な体裁で値段も安く、大量生産を前提とした本。新聞記事や漫画のイメージを転用したり、既製品を貼りつけたりした本。彫刻かオブジェかと見まがうような本。「本」は表現の媒体としての様々な可能性を切り拓いて行きます。  かつて二十世紀初頭の挿絵本やアヴァンギャルドの本は、その大衆性や伝達性、複数性を持つ「本」を表現の場として先鋭的に提示してきました。それは、建築や絵画こそが芸術であり、版画や本、デザインなどは低く見るような考え方をくつがえすような動きでした。しかし、戦後の多様な展開の中で、限定版や豪華版が多く作られるようになると、一度崩れかけた芸術の序列は、再び復活するかのようにも見えてきます。アーティスツ・ブックスは、そんな時代に、再び芸術のありかたを問い直す視点を提示していったのです。
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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