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「ヨーロッパへ−洋画的日本画の模索と東洋古典での関心」の詳細情報 | |
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テーマ名称 | ヨーロッパへ−洋画的日本画の模索と東洋古典での関心 |
期間 | 2017年10月21日(土)~2017年12月10日(日) |
展覧会名称 |
廣島晃甫回顧展−近代日本画のもう一つの可能性 |
説明 | 着実に評価されていった晃甫は、日本画壇を代表する作家の一人として、一九三〇(昭和五)年にイタリアのローマで開催された日本美術展や、翌年ドイツのベルリンで行われた展覧会に出品しています。 ベルリンにおける日本美術展覧会では、委員の一人としてドイツに赴きました。用務を終えた後は、いっしょに渡欧していた妻の希求子とともに、一九三一(昭和六)年から三二(昭和七)年はじめまで、一年以上をかけて、ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、スイスなどヨーロッパ各地を訪問し、風景写生も重ねています。 ヨーロッパ旅行の取材をもとにして仕上げた作品として、〈南伊太利ラベロの古寺〉(no.41)と〈仏国ビルフランス小港〉(no.42) が残されています。いずれも地中海に面した景勝地の風景です。単純化した色面で形を捉えたり、金泥や筆の動きを活かしたりするなど、日本画の材料や技法の特徴を活かし、洋画的な写生の要素も取り入れた西洋風景と言えるでしょう。 また、ヨーロッパ滞在中に取り組んだこととして、各国の博物館で行った仏教絵画の模写も挙げなければなりません。敦煌で発見された中国・唐時代などの絵画です。それらの模写を見ていると、晃甫はヨーロッパで、日本と西洋、東洋の古画など、幅の広い問題意識を統合しようとする壮大な夢を抱いていたように思えてきます。 |
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