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「戦争の時代に向けて−帰国後の活躍と沈潜」の詳細情報
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テーマ名称 戦争の時代に向けて−帰国後の活躍と沈潜
期間 2017年10月21日(土)~2017年12月10日(日)
展覧会名称 廣島晃甫回顧展−近代日本画のもう一つの可能性
説明 昭和初期の晃甫は、次第に画壇の中心作家の一人となっていきます。ヨーロッパから帰国した年、一九三二(昭和七)年には、晃甫の他、山口蓬春や伊東深水など当時有望な日本画家が集まった青々会の結成に加わります。さらに、帝展や文部省美術展覧会(新文展)の他、画廊やその関係団体が主催する展覧会、百貨店が企画する展覧会を含めて、数多く発表の機会をもっていきます。  ただし、大正期に認められた個性表現や、ヨーロッパ滞在中に試みた西洋風景の展開、東西の表現を統合しようとする思いを形にすることはできませんでした。戦争に向かう時代状況のなかで「日本的」題材が推奨され、晃甫も花鳥画を中心にして温和な画風の作品を描いていくことになります。  実はこの時期の晃甫は、応接に暇がないほど展覧会に出品し、表向きは旺盛に活動したように見えながら、次第に内部に沈潜し、時代に背を向けるようになっていきました。画商への応対や美術界との関わりはそのほとんどを妻にまかせ、屋敷に閉じこもる日々が続きます。この頃、神秘主義に惹かれていた晃甫は、アトリエの一角に、外光がやさしく降り注ぐ瞑想部屋をつくり、一人もの思いにふけることも少なくなかったといいます。  そして、第二次世界大戦の戦況が悪化していた一九四四(昭和一九)年、東京を引き払い、妻の実家があった神奈川県茅ヶ崎へ移ります。さらに一九四五(昭和二〇)年には長野県松本市に疎開し、終戦をその地で迎えました。
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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