概要 |
大阪市に生まれ、多彩な制作活動のかたわら、母校である東京藝術大学大学院文化財保存学の教授として、仏像の古典技法と修復の指導にあたる彫刻家、籔内佐斗司。日本人が古来抱いてきた自然観や生命観をもとに、時間の経過を生き物の一連の動作で表した作品や、自然のエネルギーを「童子」という神性を帯びた存在でユーモラスに表現するなど、この世の事象を独自の解釈と鋭い感性で表現し、魅力あふれる彫刻作品を世に生み出してきました。その作品は、全国約百カ所の公共空間に設置され、ごく身近なところで人々に親しまれているだけでなく、近年では、平城遷都1300年祭公式キャラクター「せんとくん」のデザイン制作でも大きな話題となりました。また、「平成伎楽団」のプロデュースなど、従来の彫刻の枠を超えた表現の可能性を追求し、活動の幅をますます広げています。島根県では、島根県立美術館の野外彫刻「宍道湖うさぎ」が縁結びの象徴として、県内外から大変な人気を集めており、また、玉造温泉はじめ、県内各所に籔内作品が点在するなど、広くその作風が親しまれています。本展では、彫刻家、籔内佐斗司の多彩な活動の全てを紹介し、その芸術の魅力に迫ります。 |