説明 |
今回は、99年度の新収蔵作品を中心にご紹介します。なお、前期(6月4日まで)と後期(6月6日から)で一部展示替えを行います
・徳島ゆかりの美術−新収蔵の日本画
今回は前期(4月29日-6月4日)に市原義之(小松島市出身)、後期(6月6日-7月16日)に河口楽土(三好郡池田町出身)、廣島晃甫(徳島市出身)の新収蔵作品を紹介します。
市原の4点の大作は、自然讃歌をテーマにそれぞれ春夏秋冬を描いたものです。例えば、〈初夏渡航〉で描かれているのは、故郷徳島へ向かう航跡を描いたものです。河口の戦後、水墨画界の指導的な地位を占めるとともに、色彩を水墨画に加えるなど、新しい表現を追求しました。「墨は色があってこそ美しく、色は墨があってこそ一層輝く」と彼は語っています。
また、廣島晃甫の〈踏青〉は彼の中国への関心を示している作品です。「踏青」とは、もともと中国の風俗で、春の野に出て若草を楽しむことです
・徳島ゆかりの美術
当館では昨年、四国八十八ヶ所の遍路道を歩きながら採集した素材を用いた作品、あるいは現地で制作した作品によって構成された大久保英治展を開催しました。出品作の中から徳島という場所にちなんだ作品を収蔵し、改めてご覧頂きます。<空へ>は阿南の北の脇海岸で制作した作品をまわりの風景とともに写した写真と、同じ場所で拾い集めた葦で作られた立体からなっています。20世紀の人間像のコーナーで紹介している<影シリーズ>も同様に展覧会の出品作です。
新収蔵以外では、伊原宇三郎、河井清一、清原重以知の肖像画などを紹介します。 |