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「VI 近代主義としての日本画へ」の詳細情報
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テーマ名称 VI 近代主義としての日本画へ
展覧会名称 近代日本画への道程 「日本画」の19世紀
説明 これまで、江戸時代のさまざまな流派の表現が、交差し重なっていく歴史的な流れを見てきました。その流れが、さらに決定的となったのは、横山大観や菱田春草などの新しい世代の登場によると考えられます。彼らは、明治21年(1888)に新しく開設された東京美術学校で学び、画壇に登場した最初の世代に当たります。彼らは、ひとつの流派に属すことなく、各流派が受け継いできた表現や、古い日本美術の名品を幅広く研究しました。さらに、西洋絵画から学んだ表現も加え、さまざまな要素を統合する形で、新しい絵画をつくっていったのです。古画の模写を積極的に行ったことや、直接ヨーロッパやアメリカに渡ったことで、日本の美術を広い視野のもとで見直したことが大きな成果となったのです。大観や春草らによる「朦朧体」(No.83, 84, 85)の実験も、その過程のなかに位置づけられるでしょう。同じような変化は、同時期の竹内栖鳳など京都の画家にも起こっています。いずれにしろ、彼らの世代の登場によって、近代の「日本画」の基本的な構造が定まったといえるのです。  今日、「日本画」とは何か、ということが改めて論議されています。たとえば、日本画の新作を発表する展覧会にアクリル絵具で描かれた作品が出品されるのは、そう珍しいことではなくなっていますし、油絵具を使った抽象画が出品されたこともありました。現代は、これまで「日本画」として考えられてきた枠組みが変化し、転換点にさしかかっている時代なのです。このような時、近代の「日本画」が形成された歴史を大きく眺めてみるのも無駄ではないはずです。
コピーライト 徳島県立近代美術館 2006
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