ジャポニスム展より
【 この1点 】


ロイ・フラーのためのポスター

 

エマニュエル・
ジョゼフ=
ラファエル・
オラーツィ

ロイ・フラー
のための
ポスター

作品画像ロイ・フラーとは、当時キャバレーで人気のあった女性ダンサー。このポスターは、 20世紀の幕開けを目前に控えた1900年に開催されたパリ万国博覧会に際して、ダンスをテーマとして制作されたもの。

それにしても、フラーの姿はどこにあるのか。いました。画面中央のやや右上に。 赤と白の色面だけで、シルエットのように女性の姿が描かれている。徐々に変化していくグラデーションのなかに、 影のようにはかなく揺れ動きながらも、確かな存在感を感じさせる姿。 フラーのダンスとはこんな風な感じだったのかと想像はふくらむ。

その左がわに家紋のような文様がちりばめられ、右下には、 日本の落款印を模したオラーツィのサインが入っている。こんなサインの入れ方は、ロートレックなんかも行っている。 そして、日本の帯を思わせる細長い形。日本的な要素を巧みに取り入れながら、きっちりと構成され、洗練された作品である。
(多色刷石版画 1900年)

 

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ジャポニスム展
世紀末から-西洋の中の日本
2001年4月28日-6月3日