ジャポニスム展 世紀末から-西洋の中の日本
2001年4月28日-6月3日


ジャポニスム展へようこそ!

 

ジャポニスム
とは

19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパやアメリカで日本ブームが巻き起こりました。 とりわけ、日本の美術工芸品は、印象派、ナビ派、アール・ヌーヴォーなどの美術やデザインの分野に多大な影響を与えます。 この現象がジャポニスムと呼ばれます。
 

日本ブーム
の背景

作品画像なぜ、この時期に日本ブームが起こったのでしょうか。

  • 19世紀のヨーロッパでは「オリエンタリズム」と呼ばれる「東洋への関心」が高まっていた。

  • ヨーロッパ各地で開かれた万国博覧会を通じて、日本の文化や技術がヨーロッパに広く伝わった。

  • 時流を察知した画商たちによって、浮世絵をはじめとする日本の美術工芸品の取引が盛んになった。

このような文化的、社会的、経済的な要因が日本ブームを引き起こす背景となりました。 (図版:エドゥナ・ボイズ・ホプキンズ 〈アカシア〉 多色刷木版 1908年頃)
 

ジャポニスム
の広がり

この日本ブームは、物珍しさにひかれた一時的な流行には終わりませんでした。 日本独特の色彩や構図、モチーフ、さらには日本の生活様式や自然観。 このような日本美術の特質に関心をもった欧米の作家たちによって、創造的な作品が生み出されて行くのです。

作品画像 印象派のマネ、モネ、ルノワール、そしてゴッホやゴーガン、あるいは世紀末美術の立役者ロートレック。 いずれも時代をリードした影響力の強い作家たちです。 そしてジャポニスムは、美術、工芸、デザイン、建築、写真、服飾などの様々な領域に根付き、広がりをみせます。 (図版:カミーユ・マルタン 〈『エスタンプ・オリジナル』誌第5号の表紙デザイン〉 多色刷石版画 1894年)
 

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今回の出品
内容について

多様な展開を見せたジャポニスムですが、今回の展覧会では、版画や水彩画、ポスター、 雑誌などの比較的身近な作品が中心です。ジャポニスムは、このように日常的な場面に浸透していたことが伺えます。 また、ルノワールやモネ、ゴッホなどは出品されておらず、日本ではなじみの薄い作家が目立ちますが、 いずれも日本美術に影響を受けた人たちとして有名です。

作品は、すべてアメリカ、ニュージャージー州立ラトガース大学のジェーン・ヴーヒーズ・ジマーリ美術館が所蔵するコレクション。 展示は、I日本趣味、II花鳥風月、III春夏秋冬、IV人間模様、V装飾意匠の5つのコーナーに分かれています。 日本美術が欧米に与えた影響をじっくりとご覧下さい。 【執筆: 主任学芸員 友井伸一】

 

ジャポニスム展
世紀末から-西洋の中の日本
2001年4月28日-6月3日