ジャポニスム展より
【 この1点 】


バレエ公演 「夢」

 

パリのオペラ座で1890年6月9日に初演されたバレエ「夢」のポスター。 17世紀の日本、京都近くのタケノという町を舞台にした恋愛劇。 女主人公のダイタはタイコーという婚約者がいるにも関わらず、サクマ殿に思いを寄せている。 女神イザナミは、ダイタの願いを叶えるべく彼女を眠らせた。
夢の中でダイタはサクマ殿を誘惑し、まさに2人はいい関係に。 そこに婚約者タイコー登場。ダイタを取り戻し逃げようとするタイコーは、サクマ殿が放った矢に倒れてしまう。 ここで目覚めたダイタは、自らを恥じ、反省して幕は閉じる。
 

テオフィル=
アレクサンドル・
スタンラン

国立音楽アカデミー、バレエ公演「夢」

作品画像ポスター中央の扇型は舞台の大道具。開閉式で評判を呼んだ。扇の中央にいるのは女神イザナミ。 その下には矢を放つサクマ殿と倒れ落ちるタイコー。バレエの衣装に着物を羽織り、 扇を持って踊るダイタの姿は私たちの眼には異様で笑いを誘ってしまう。 これはコメディ? いいえ、当時の人にはエキゾチックで人気があったそうだ。
竹組み、松、月、書を意識したような文字にも、日本趣味が色濃く反映している。
(多色刷りフォトレリーフ 1889年)

 

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ジャポニスム展
世紀末から-西洋の中の日本
2001年4月28日-6月3日