徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
絹谷幸二 蒼空のある自画像
蒼空のある自画像
1977年
顔彩 キャンバス
194.3×259.5
絹谷幸二 (1943-)
生地:奈良県
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絹谷幸二蒼空のある自画像
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絹谷幸二 「蒼空のある自画像」

竹内利夫

 頭もからだもはじけて、まるで爆撃されたよう。きちんと顔が描かれているところにしても、明るい色彩の嵐といった風情だ。ざらざらした絵の表面はこぼれそうに見えて、実は堅固な色の壁。大学の壁画科に学び、ヴェネチアでアフレスコ画法の腕を磨き、自分のものとした。
 漆喰が乾くまでの短い時間に色をさす素早い描写法に、ほとばしるイメージがよくなじんでいる。「誰にもみることのできない中身を描かなければ」(絹谷)という。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 竹内利夫