徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
渇きとスピード
1988年
木(楠) 大理石
83.0×55.0×33.0
舟越桂 (1951-)
生地:岩手県
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舟越桂渇きとスピード
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徳島新聞連載1990-91

舟越桂 「渇きとスピード」

安達一樹

 この親密な気配は何処からくるのだろう。
 クスノキという硬材のもつ質感が、ある種の神秘的な雰囲気を醸し出すのだろうか。若いロックミュージシャンをモデルにした半身像。本当に思い入れて作りたいと思った人間だけを作るという舟越の心的距離が、その人に対する感覚の密度を高め、印象を強める。
 あの日、あの時、あの場所にいた、あの人を。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 安達一樹