徳島県立近代美術館
学芸員の作品解説
腰をかける人
1979-80年
ブロンズ
193.0×94.0×142.0:左(女)、180.0×84.0×122.0:右(男)
リン・チャドウィック (1914-)
生地:イギリス
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チャドウィック腰をかける人
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徳島新聞連載1990-91

リン・チャドウィック 「腰をかける人」

安達一樹

 四角頭の三角人間。異様に変容されているが、チャドウィックの造形の核となり精神となっているものは人間である。彫刻の構造の内部に造形思考の焦点を絞り、表面的な表現にとらわれることなく、構造の生命を大胆に追求した。この作風は、溶接の技法から生まれ、人体の頭部を立方体へと記号化し、さらに単純な面へ集約しながら様々な人間像を生みだしている。
徳島県立近代美術館所蔵作品選1995 コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ
1995年7月22日
徳島県立近代美術館 安達一樹