フリースペース チャレンジとくしま芸術祭
徳島発 未来のアーティスト発見! いくつになってもチャレンジ!
「表彰式」 平成22年1月24日(日)
各部門ごとに審査し、受賞者が決定しました。
「展示部門」グランプリ:
ささきようすけ
「展示部門」審査員特別賞:
河村鉄平
「展示部門」審査員特別賞:
吉田英司
「パフォーマンス部門」グランプリ:
Dance Group X over(ダンスグループ クロスオーバー)
「パフォーマンス部門」審査員特別賞:
ユーゴウ団
(展示部門・パフォーマンス部門共通)
■一次審査
各審査員が項目別に加点式に評価。配分はチャレンジ点が1点から5点。それ以外にオプション点として将来性・完成度・独自評価をそれぞれ1点とした。
チャレンジ点は最低でも1点。オプション点は評価に値する場合のみの加点とした。
■二次審査
一次審査で審査員の評価点の合計がもっとも高い1組をグランプリとした。
審査員特別賞はグランプリ受賞者以外から、推薦したい組がある場合のみ各委員が1組を推薦可能とした。推薦された中から、審査員間で合議の上、展示部門2組・パフォーマンス部門1組までを受賞対象とした。
■審査員(順不同・敬称略)
「展示部門」
・小西昌幸 (北島町立図書館・創世ホール館長)
・平木美鶴 (徳島大学教授)
・白井宏治 (株式会社あわわ編集統括部長)
・安達一樹 (徳島県立近代美術館専門学芸員)
「パフォーマンス部門」
・小西昌幸 (北島町立図書館・創世ホール館長)
・遊道久代 (フリーアナウンサー)
・武市典子 (株式会社メディコム SALALA編集長)
・福田典彦 (フクタレコード専務取締役)
・三ヶ田浩 (ボランティアグループ「ビボラボ」副代表)
「展示部門」グランプリ
ささきようすけ
いつもひとり
2006〜2008年
写真/アクリル水彩 写真
※昨年末には、ニューヨークでも個展を開きました。
■受賞理由
独自の作品世界を確立しており、膨大な点数に圧倒される。描くことが生活の一部になっているかのようなユニークな独創性が顕著であり、チャレンジとくしま芸術祭の展示部門グランプリにふさわしいと評価された。
「展示部門」審査員特別賞
河村鉄平
camouflage
2006年
シルクスクリーン・顔料、酸性染料、絹
※個展形式で出展するのは初めての経験です。
■受賞理由
ベースは工芸(染色)であるが、現代アートとしても通用するものがあった。静謐で端正なたたずまいの作風の中にチャレンジ精神が如実に認められた。
「展示部門」審査員特別賞
吉田英司
私は誰れ…あなたは誰れ…
2010年
複合アート・紙、ポスターカラー、電球、ペットボトル、水、土、布、鏡、ねんど等
※本格的に作品を出品するのは初めての経験です。
■受賞理由
一見稚拙と思われるほど、生々しく、むき出しに表現と向きあっている。のびやかさと一生懸命さがみられ、そのチャレンジ精神が審査会で評価された。
「パフォーマンス部門」グランプリ
Dance Group X over(ダンスグループ クロスオーバー)
メンバー:桧彩香、久保佳絵、安達瑛香、八木ひかり、佐久間唯
It's show time〜party night〜
振付:桧彩香
←本番を終えてインタビューをうける様子
※今回の芸術祭をきっかけに、バレエを中心として踊るメンバーで結成されました。
■受賞理由
大変よく趣向がこらされ、ダンス・パフォーマンスに対する努力と工夫、高いチャレンジ精神が明確にみられた。また、会場の使い方も非常にたくみだった。文句なく最高得点によるグランプリ受賞だった。
「パフォーマンス部門」審査員特別賞
ユーゴウ団
朗読者:岡崎好恵、サックス:大西由記(徳永佳子)、コントラバス:与那覇吉哉、打楽器:宮崎里沙
「蜘蛛の糸」
原作:芥川龍之介 音楽:与那覇吉哉
←本番を終えてインタビューをうける様子
※今回の芸術祭のために結成されたグループです。サックス奏者が急病のため、急きょ代役の方で出場です。
■受賞理由
朗読・音楽ともに完成度が高く、しっかりと大地に足をつけたパフォーマンスだった。朗読の導入部やバックに流れる音楽がよく効果を出しており、才能を感じさせた。チャレンジ性も将来性も充分感じられた。
審査委員長 小西昌幸さんによる講評です。
【展示部門講評】
展示部門の講評を述べさせていただきます。
まず初めに、ご出品いただきました37組の全ての方々のチャレンジ精神に心から敬意を表したいと思います。
絵画、版画、立体造形、書道、彫刻、陶芸、写真、パッチワーク、染色、その他言葉では形容しがたい物など、非常に幅広い出品作品でございまして、この中からグランプリ作品を選ぼうとすることに非常に困難なものがあるということでございます。ですから審査員一同大変なプレッシャーを感じております。
出品者の皆様に置かれましては、グランプリに漏れたからといって社会を恨んだり、あるいは、どこかで私たちを見かけることがあっても襲撃したりしないで下さい。この点、よろしくお願いいたします。
今回の芸術祭の審査基準は《チャレンジ度》《将来性》《完成度》《各審査員の独自評価》という項目で点数をつけて、その合計得点で賞を選ぶ方式を取っています。
グランプリに選ばれた《ささきようすけ》さんの作品は、独自の世界を持っており、独創性が顕著に見られました。描くことが生活の一部になっているかのような作風は圧倒的であり、これらが評価されました。
審査員特別賞に選ばれた《吉田英司》さんの作品は、一見稚拙と思われるほどむき出しの心で表現に対峙している点や、のびやかさが評価されました。
もう一点の審査員特別賞《河村鉄平》さんの作品は、工芸的でありつつ現代アートとして通じる物があり、端正なたたずまいの中にチャレンジ精神が認められました。
個人的には、榊和也さんの滝の作品、独自の世界が確立された中川彩さんや、井内晃俊さんの不気味な陶芸作品が心に残っています。また一部で既に一定の評価を受けているパンク魚屋さんやパッチワークの堤公代さんといった方々のご出品も個人的にありがたかったです。終わりにもう一度、37組の皆さんにお礼を申し上げます。ありがとうございました。
【パフォーマンス部門講評】
パフォーマンス部門の講評を述べさせていただきます。展示部門同様、実に幅広い分野の出場者のパフォーマンスが繰り広げられまして、選考に当たり審査員一同深刻に悩みました。我々としては、全員にグランプリを差し上げたい気持ちでございますので、どうか受賞されなかった方々に置かれましては、審査員を襲撃などなさらないようお願いいたします。
こちらも審査にあたっては、《チャレンジ度》《将来性》《完成度》《各審査員の独自評価》で5人が点数をつけてその合計の最高得点でグランプリを決定し、次点を審査員特別賞といたしました。
グランプリに選ばれた《ダンス・グループ・クロス・オーバー》の演技は、大変よく趣向が凝らされ、ダンス表現に対する努力と工夫、高いチャレンジ精神が明確に見られました。会場の使い方も巧みだったと思います。
審査員特別賞に選ばれた《ユーゴウ団》は朗読・音楽共に完成度が高く、しっかり地に足をつけたパフォーマンスが評価されました。チャレンジ性や将来性も充分感じられました。
惜しくも受賞なりませんでしたが、《住友美代子さん》の朗読は実に技量が高く、雰囲気があり、見事なものがありました。また《徳島バスーン・フェスティバル》も選考委員から高い評価を受けていたことをお伝えしておきます。このお二組は同点3位でございました。
私が、個人的に感じましたのは、この地における朗読の方々のレベルの高さでございます。女性陣の朗読は全て、実に美しい情感をかもし出していて、胸がときめいてしまいました。
《侍塾》のお二方のご健闘、《朗読サロンことだま》のコント仕立てなども興味深かったです。
クラシック系では、高い将来性を感じさせるヴァイオリンの波馬姉妹、ほのぼのとした温かい演奏をされた松浦さん親子のトランペットとピアノ演奏がありました。ぜひ、この路線で地道に前進していただきたく存じます。
そのほか、コンピュータ音楽で温かい世界を描いた桶川さん、楽しい人形劇の渭東子ども会、フラダンスのホアロハ・フラ・スタジオ徳島の皆さん、ノイズバンドのモウイイヨなどが、幅広いチャレンジ精神という意味合いから個人的に印象に残っております。
ご出場いただいた18組の皆さん、本当にありがとうございました。