小林館長写真

小林 功

Isao Kobayashi

展示部門審査委員長

徳島県立近代美術館長


  

今日の午前中に最終の審査を行ったわけなんですけれども、先ほども本部長のお話がありましたように、審査が難航致しまして一時はどうなることかと思っていたんですが、なんとか表彰式に間に合ってホッとしているところでございます。

それでは、順次受賞者の皆さんの受賞理由を発表させていただきます。

まず、グランプリのはなのようこさん。受賞の理由でございますが、画面の中に鏡を用いて、絵を見ると鏡が見えず、また逆に鏡を見ると絵が見えないという装置としてのおもしろさがある点、それからまた平面の中に空間表現がある点など多様な視点があるところが評価されました。

準グランプリのハラダサキさんにつきましては、描き混みと技術力にインパクトがあり、また細密画ということだったんですが、今後もさがすという自分で見つけたテーマを追求し欲しいと思わせるというところで評価をされたということでございます。

続きましてチャレンジ奨励賞の穴山千代子さんは、阿波和紙を使った繊細な仕事で織りや色が美しく、今後も見ていきたいと思わせたというところで、評価をされたということでございます。

まるおかあきこさんにつきましては、美しい空間を作ったという上では群を抜いておりまして、展示空間の構成の綺麗さが評価されました。

杉本悠希さんにつきましては、コンセプトの作品への落とし込みそれから彫刻刀の線が創る雰囲気、視点の楽しさなど注目点が多く、今後も継続的に作品を見ていきたいと思わせたということでございます。

それから最後に、MIPの永田広志さんですが、最低限の構成要素でもっとも印象に残った作品であるということでまさにMIP賞にふさわしいとの評価でした。

受賞されたみなさまには、今回の受賞を契機としまして、さらなる飛躍を遂げられますことを期待したいと思います。

また、受賞された方以外の作品の中にも、すばらしいものがたくさんありましたので、ひきつづきグランプリを目指して挑戦していただきたいと思っております。

以上簡単でございますが講評とさせていただきます。

どうも、ありがとうございました。

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